...五位は綿の四五寸もはいつた、黄いろい直垂(ひたたれ)の下に、楽々と、足をのばしながら、ぼんやり、われとわが寝姿を見廻した...
芥川龍之介 「芋粥」
...啓吉もさほど楽々とは誘惑の外に出られなかったかも知れない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...」やがて二人は五人乗のフォードに楽々と乗って...
石川欣一 「山を思う」
...何十貫もあるモートルが木箱かなんぞのように楽々ととんできた...
海野十三 「地球を狙う者」
...彼女は楽々として眠りにつき...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...そんな楽々とした呑気な次第ではございませぬぞ」正造は怒号の頂体でプッツリ言葉を切って...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それこそ楽々とご用を承(うけたまわ)ることができました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...十貫を楽々とかつぐキヌ子のあの怪力を思い出し...
太宰治 「グッド・バイ」
...女のお前にそう楽々と解決のつくわけがないじゃないか...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...彼は楽々とやってのけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...指で楽々と掘り返せた...
直木三十五 「南国太平記」
...楽々と坐れるように...
中井正一 「美学入門」
...各人に対する神の愛に大きいのと小さいのとあったのか? 神の愛に不公平があるのではないか?天才は楽々と大発明をして世の人からかっさいを受けるが...
永井隆 「この子を残して」
...寸分違(たが)わず叔父の思い通りに楽々と運んで行く彼女には...
夏目漱石 「明暗」
...その跡にポカリと口を開いたのはなんと人間が二人くらい楽々と通れるほどの大きな穴...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さうしたポーズで半日も一日も楽々としてゐられたといふことは...
牧野信一 「「三田文学」と巌谷夫人」
...ましてあなた様などがどうしてそう楽々と遁世(とんせい)の道をおとりになることがおできになれましょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――で物干しから用心のない戸を開けて、こんばんはといいたいくらい、楽々と、二階へはいって来た...
吉川英治 「治郎吉格子」
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