...「あの人は何處へでも來るのねえ」と若し樂屋で皆が自分を評し合つてゞもゐはしまいかと考へて三藏は極まりが惡かつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...そこに極まり悪そうに幾分ひし堅くなって入って来たのは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...すなわちゴメズ君はこの世の生き別れのごとき悲壮極まりない面持をして...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...ただいつの間にかそんな雑誌を読んでいたことを知られたのが極まり悪さに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...雪子は一層極まりを悪がって口を利かなくなる方ですから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...さすがに極まり悪そうに赧(あか)い顔しなさって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...凍てたる夜深の巷を乗り行く時なぞゴム底の足袋はパタパタ音して不愉快極まりなくゴム輪は轍の砂利を輾(きし)る響せざるが故矢張初めの中は乗り心地よろしからず世の中段々いやなものが流行出したりと思いき...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...若隱居の別戸籍にと内々の相談は極まりたれど...
樋口一葉 「大つごもり」
...陰に廻りて機關(からくり)の糸を引しは藤本の仕業に極まりぬ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...四月の十五日歸國に極まりて土産物など折柄日清の戰爭畫...
樋口一葉 「ゆく雲」
...寞寂極まりもない奈落の淵に声ひとつたてることなしにラムプを点して...
牧野信一 「痩身記」
...人間の神聖極まりなき一面と...
牧野信一 「手紙」
...お供は誰に極まりましたかと問うた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...器量が小さいと云ふのは餘り物が極まり過ぎてゐるのではないかと云ふのです...
森林太郎 「混沌」
...物に極まりを附け過ぎてゐて駄目である...
森林太郎 「混沌」
...生を天上界にうけて霊福極まりないが...
吉川英治 「剣の四君子」
...兵馬剣槍の瞬間にえがいて明滅極まりなきものが...
吉川英治 「新書太閤記」
...危険極まりない作業はツチ渡りだけではない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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