...仁右衛門はあたり近所の小作人に対して二言目には喧嘩面(けんかづら)を見せたが六尺ゆたかの彼れに楯(たて)つくものは一人もなかった...
有島武郎 「カインの末裔」
...その將軍(いくさのきみ)山部(やまべ)の大楯(おほたて)の連(むらじ)...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...附け鬚模樣の銀鍍金の楯があなたによく似合ふさうですよ...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...長槍と圓楯かざし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...タヴィストックはまるで楯の中央の突起のように...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...ちょうど円楯(まるたて)の槍受(やりう)けの丸い中心から溝(みぞ)が出てるように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それが射楯神社となつたと考へられて居つた...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...濁世(だくせ)のあるゆる侵害(しんがい)からこの人を守る楯(たて)となること...
中島敦 「弟子」
...互に楯(たて)を突き合ふやうな不愉快な時間が幾度か重(かさ)なつた...
南部修太郎 「猫又先生」
...楯(たて)のやうに肩につけて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...飛退くと積んだ小桶(こおけ)を楯に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの男だ――というのを楯(たて)に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...中門の楯に紫園という朽木の額をあげていた...
久生十蘭 「蝶の絵」
...秋沢さまでもうしろ楯(だて)になろうと仰しゃっておいでですわ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...片手に持つ楯の代りに...
吉川英治 「折々の記」
...思い立っては矢も楯も堪らなかった...
吉川英治 「剣難女難」
...鋲金具の屋敷門を後ろ楯に...
吉川英治 「剣難女難」
...みかどの御楯(みたて)とここへ拠(よ)った侍の初志を遂げた将士もないではない...
吉川英治 「私本太平記」
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