...吉野川の水に楮(こうぞ)の繊維(せんい)を晒(さら)しては...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...・楮にこんにやくが青葉に青葉ふるさとのながれや河鹿また鳴いてくれる・ふるさとの水をのみ水をあび・長い橋それをわたればふるさとの街で・おばあさんはひとりものでつんばくろ四羽・つゆのつゆくさのはなひらく・水音のよいここでけふは早泊り炎天...
種田山頭火 「行乞記」
...箱根の仙石原を開墾して楮の木を植ゑ初めなすつたり...
辻村もと子 「早春箋」
...強い楮(こうぞ)から作られ...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...大体紙料には雁皮と楮と三椏(みつまた)とがありますが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...――楮幣(チヨヘイ)ハ銅幣『乾坤通宝(ケンコンツウホウ)』ト同ジク併(アハ)セ用ヒ...
吉川英治 「私本太平記」
...……どうして楮幣がいけねえんだ?」これは道理である...
吉川英治 「私本太平記」
...その朝廷の御保証において発兌(だ)された楮幣(ちょへい)なのだぞ...
吉川英治 「私本太平記」
...「どうしてだろう?」「楮幣を断わッたぐらいな科(とが)で」「まちがいだ...
吉川英治 「私本太平記」
...楮幣五百文は銭(ぜに)五百文と同様に通用する...
吉川英治 「私本太平記」
...楮幣のことは聞いてるが...
吉川英治 「私本太平記」
...楮幣と引き替えで売ってやろう」遊女(あそびめ)たちはやや色めいた...
吉川英治 「私本太平記」
...三人抜くと楮幣(ちょへい)が十枚...
吉川英治 「私本太平記」
...文庫の楮幣もあらまし懸賞に出て行って...
吉川英治 「私本太平記」
...もう楮幣はおしまいでしょ...
吉川英治 「私本太平記」
...じつは武具仲買の大手筋が、楮幣払いでなら、ここで漆(うるし)一千斤(きん)、革(かわ)五百枚の大注文を出すといっていたんだが、つい断わってしまったばかりさ」おおむね、こんな話なのである...
吉川英治 「私本太平記」
...いくらでも後から後から紙の札(さつ)が出て来るうえに、銭の“乾坤通宝(けんこんつうほう)”も鋳直(いなお)したので、いぜんの物よりまるで銭の質が悪くなった」「だから今日の銭百文(もん)は、前の銭四十文の物しか買えず、それが楮幣だと、ただの十文ぐらいな物しかくれない...
吉川英治 「私本太平記」
...――楮幣(ちょへい)のよびおこした物価の昂騰(こうとう)もようやくひどいものになってきて...
吉川英治 「私本太平記」
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