...楠野君は、二人の諍(あらそ)ひを聞くでもなく聞かぬでもなく、横になつた儘で、紙莨を吹かし乍ら、浪の穗頭を見渡して居る...
石川啄木 「漂泊」
...楠公の像のモデルにした馬です...
板谷波山 「美術学校時代の岡倉先生」
...それは楠氏の一女姑摩姫(こまひめ)と云う架空(かくう)の女性を中心にしたものだと云うから...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...楠の森見物に出かける...
種田山頭火 「行乞記」
...この楠先生もよくお愛想に出した葡萄酒の杯を銜(ふく)んだりして...
寺田寅彦 「追憶の医師達」
...また小さい楠が一本稲荷堂の横に植えられた...
豊島与志雄 「楠の話」
...手袋をたらしたような石楠花から偃松の枝をつかんだときは瞼があつくなった...
中村清太郎 「山岳浄土」
...――彼に托してある楠木への密書に考え及ぶと...
吉川英治 「私本太平記」
...――一は水分(みくまり)の楠木...
吉川英治 「私本太平記」
...逃げも出来まい」楠木正季は...
吉川英治 「私本太平記」
...楠木正季は脱出して...
吉川英治 「私本太平記」
...渡辺橋から四天王寺へかけて楠木を取り逃がした宇都宮公綱だ...
吉川英治 「私本太平記」
...しかも、驕(おご)りきった敵は、初めのうちこそ「名にしおう楠木」「うかとは寄るな」と、警戒のいろだったが、次第に、「たかの知れた小勢」と、衆をたのみ、「あれしきな丘、楠木とて、何ができよう...
吉川英治 「私本太平記」
...この石井末忠は楠木一族でもなし正成直属の武士でもなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...社前(しゃぜん)の大楠(おおくすのき)の切株(きりかぶ)につっ立ち...
吉川英治 「神州天馬侠」
...偶像楠公にいささか人間の待遇を以て涙しているもので...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...直義あんおんにまもらせ給候べく候 尊氏(花押)湊川で楠木正成をやぶり...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...許一松許二楠許三棟許四梓などの日本人がポルトガル人をつれて広東に来り貿易したといわれている...
和辻哲郎 「鎖国」
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