...楚々(そそ)たる女が立っているんだ...
芥川龍之介 「一夕話」
...廓の情調でも思ひ出させさうな題材を捉へて却つて反対に楚々たる清い感じをそそる様に...
上村松園 「螢」
...露子という梅雨空(つゆぞら)の庭の一隅に咲く紫陽花(あじさい)のように楚々(そそ)たる少女が二人の間に入ってきたからであった...
海野十三 「火葬国風景」
...新任の楚々(そそ)たるモダン小間使のやったことと分ると...
海野十三 「什器破壊業事件」
...「さあどうぞ! どうぞ」とこの黒チャンに手を執(と)られんばかりにして私は楚々(そそ)と蓮歩(れんぽ)を踏み出したわけなのであったが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...熱帯の灼熱せる太陽に蒸されてすでに紫斑を呈しながらも生前の美しさが偲(しの)ばれて今にも楚々(そそ)として微笑(ほほえ)み出すかと疑われんばかりの姿であった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...その楚々(そゝ)たる姿や青春の美しさが沁み出るやうな御詠歌(ごえいか)の聲や...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのあとに楚々(そそ)とした夏姿の二人...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...あの楚々(そそ)たる可憐(かれん)な風姿とは...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...雪のような素絹(そけん)をまとった美人が楚々と入ってきて...
吉川英治 「三国志」
...目をさますとすぐ楚々(そそ)と薬湯(やくとう)をささげて来てやさしく気分を問うてくれた一女性がある...
吉川英治 「私本太平記」
...「なんのおかまいも出来ませぬが、父は、この通りはなし好き、どうぞごゆるり遊ばして」それから、手料理の膳部(ぜんぶ)と、銚子(ちょうし)など、楚々(そそ)と、運んで来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...その妍(けん)なる美なる楚々(そそ)なること...
吉川英治 「新書太閤記」
...やがて楚々(そそ)と歩んで...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...新柳の美妓(びぎ)が扇なりに楚々(そそ)と裳(すそ)を曳く...
吉川英治 「松のや露八」
...楚々(そそ)たる風情(ふぜい)で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...楚々(そそ)としてそこへはいって来たのは...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...しかも最初見た時から並々ならぬ美人だと思ったとおり繊妍(せんけん)たる容姿楚々たる風姿...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??