...楚々(そそ)たる女が立っているんだ...
芥川龍之介 「一夕話」
...この人の文を見るも楚々(そそ)たる落墨直(ただち)に松を成すの妙はあらず...
芥川龍之介 「骨董羹」
...清麗楚々(そそ)とした...
泉鏡花 「薄紅梅」
...露子という梅雨空(つゆぞら)の庭の一隅に咲く紫陽花(あじさい)のように楚々(そそ)たる少女が二人の間に入ってきたからであった...
海野十三 「火葬国風景」
...六にもなろうという楚々(そそ)として立ち姿の美しい婦人が挨拶をした...
海野十三 「雷」
...弱々しいが楚々(そそ)とした美しさを持った顔と云えば...
谷崎潤一郎 「細雪」
...楚々(そそ)たる美女マタ・アリの去来する衣摺(きぬず)れの音について...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...まことに瀟洒な楚々たる風趣に富んだ小さな鐘楼で...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...お春は楚々(そそ)として艶然(えんぜん)たる立姿を紅燈に照させながら...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...楚々(そそ)と土橋を歩いてゆく...
吉川英治 「江戸三国志」
...客を再拝して、楚々(そそ)と、良人のかたわらに戻った...
吉川英治 「三国志」
...奥の閣からは二夫人が楚々たる蓮歩(れんぽ)を運んで出迎える...
吉川英治 「三国志」
...呼べば妻の小右京がいまにもそこらの渡りから「はい」と答えて自分の前に楚々(そそ)と来そうな気配にさえとらわれた...
吉川英治 「私本太平記」
...駒を降りて楚々(そそ)...
吉川英治 「新書太閤記」
...――と、そのうちに施主(せしゅ)の巧雲が、楚々(そそ)と、前へすすんで香(こう)を拈(ねん)じる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...やがて、土肥家の側が、ずらりと、坐り終わったところで、花嫁は、つのかくしを、俯向(うつむ)けて、庄次郎のそばへ、楚々(そそ)と、手を曳かれてきた...
吉川英治 「松のや露八」
...新柳の美妓(びぎ)が扇なりに楚々(そそ)と裳(すそ)を曳く...
吉川英治 「松のや露八」
...御新造先生の楚々(そそ)たる歩みと...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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