...廓の情調でも思ひ出させさうな題材を捉へて却つて反対に楚々たる清い感じをそそる様に...
上村松園 「螢」
...楊柳の趣きを持った楚々たる風姿...
豊島与志雄 「立札」
...その楚々たる湯気で静かに口腔を湿ほし続けた...
牧野信一 「悪筆」
...まことに瀟洒な楚々たる風趣に富んだ小さな鐘楼で...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...お春は楚々(そそ)として艶然(えんぜん)たる立姿を紅燈に照させながら...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...ほどなく尼の姿は楚々(そそ)として...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...楚々(そそ)と土橋を歩いてゆく...
吉川英治 「江戸三国志」
...楚々(そそ)と姿をあらわした美人がある...
吉川英治 「三国志」
...客を再拝して、楚々(そそ)と、良人のかたわらに戻った...
吉川英治 「三国志」
...楚々(そそ)――いとも楚々として嫋(なよ)やかな佳嬪(かひん)が列をなしてきた...
吉川英治 「三国志」
...呼べば妻の小右京がいまにもそこらの渡りから「はい」と答えて自分の前に楚々(そそ)と来そうな気配にさえとらわれた...
吉川英治 「私本太平記」
...楚々(そそ)と、茶を運んで来た女子があった...
吉川英治 「新書太閤記」
...……ですから、あんなあどけない容子(ようす)もありながら、折にふれては、男も及ばない剛毅(ごうき)なところがあったりして、私なども、ままびッくりさせられることがあるのでございます」尼のことばが切れたのは、そのとき当の於通が、ふくさに茶碗をのせ、楚々(そそ)と、友松のまえにそれをささげて来たからであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...――と、そのうちに施主(せしゅ)の巧雲が、楚々(そそ)と、前へすすんで香(こう)を拈(ねん)じる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...楚々(そそ)とついてゆく姿は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...楚々(そそ)たるすがたを見せていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...新柳の美妓(びぎ)が扇なりに楚々(そそ)と裳(すそ)を曳く...
吉川英治 「松のや露八」
...しかも最初見た時から並々ならぬ美人だと思ったとおり繊妍(せんけん)たる容姿楚々たる風姿...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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