...楔(くさび)のように喰い違わせたりするのですから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その地方の風習に従って小さな一つの楔(くさび)でしめてあるきりだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...同棲(どうせい)生活がその楔(くさび)として長く結婚の室(へや)を有することは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...穏かに楔(くさび)を打込んだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...然しながら其一片と雖此を楔子に削る時大厦の柱をも堅固にすることが出來る...
長塚節 「商機」
...鉈(なた)の刀背(みね)で鐵(てつ)の楔(くさび)を打(う)ち込(こ)んでさうして柄(え)を執(と)つて動(うご)かして見(み)た...
長塚節 「土」
...銅箱の底に銅の楔(くさび)をつけてその楔の先端に霜の結晶を作るようにして...
中谷宇吉郎 「雪」
...皆んなそれを書き遺してくれたよ」「――――」「楔は四方に立っている...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...楔状文字でもなく...
濱田耕作 「シュリーマン夫人を憶ふ」
...その農家に楔でも打ち込んだやうに...
葉山嘉樹 「万福追想」
...青光りのする楔型の黒い顎髯とともにペロオの妖精物語に取込まれて...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...ばらばらに黒い楔(くさび)の外(はづ)されたこの残留の街衢の中で...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...千人の力を以てしても楔の抜けたまま空廻いしつつある巨大なフライ・ホイルを如何ともすることが出来ない...
細井和喜蔵 「モルモット」
...石柱の両面に楔形文字が彫り付けてある...
穂積陳重 「法窓夜話」
...両面において総計三千余行の楔状文字が刻せられているのである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...腰をかがめて楔形(くさびがた)の矢を取った...
本庄陸男 「石狩川」
...一ノ関は隙へ隙へと楔(くさび)を打っていた」と甲斐はまた呟いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...さもないとあなたもいっしょに死んでよ」「お姉さま」「楔(くさび)の岩を抜けば...
山本周五郎 「山彦乙女」
便利!手書き漢字入力検索