...幾分の同情を繋ぐ楔子(くさび)になつたのであらう...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...御話の楔(くさび)を入れますと...
芥川龍之介 「邪宗門」
...楔形文字(せっけいもじ)のような...
芥川龍之介 「MENSURA ZOILI」
...私は又詩にも勝った表現の楔子(けっし)を音楽に於て見出そうとするものだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...この伝説は大洪水に関する楔形文字で記された伝説や...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...此の軍隊の最初の列は何時も楔形(くさびがた)に並んでゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...楔形(くさびがた)に削(けず)られたその恰好から丈けでも明かである...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...この事実の如何に松陰が幕府に対する思想に向って変化の楔子(せっし)となりたるかは...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...楔形(くさびがた)になって...
直木三十五 「南国太平記」
...谷底へついて見ると紐のちぎれさうな脚袢(きやはん)を穿いた若者が炭竈(すみがま)の側で樫(かし)の大きな榾(ほた)へ楔(くさび)を打ち込んで割つて居るのであつた...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...おもはぬ霜ふかくおりたるに此の如きは冬にいりてはじめてなりといふ芒の穗ほけたれば白しおしなべて霜は小笹にいたくふりにけり此の日或る禪寺の庭に立ちて枳(けんぽなし)ともしく庭に落ちたるをひらひてあれど咎めても聞かずたま/\は榾の楔をうちこみて樅の板挽く人もかへりみず十二月七日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...上流の楔形の空を横さまに...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...この楔木一たび他国の握る所となり...
日野強 「新疆所感」
......
牧野富太郎 「植物一日一題」
...木に楔(くさび)を打ち込んで半ば裂けた中に楔を留めた処や兎の頭を見た妊婦は必ず欠唇の子を生むと...
南方熊楠 「十二支考」
...まだどこかに楔(くさび)の抜けた所があることを談(かた)っているように私らには感じられる...
柳田国男 「木綿以前の事」
...楔(くさび)を下側に三本打ち込むと...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...いよいよ両家の親和を永久にする楔(くさび)ともなるであろう)そういったというではないか...
吉川英治 「新書太閤記」
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