...――絵葉書とか額椽とか文学書とかいうものは...
種田山頭火 「白い路」
...丸顔の人はいつか布団(ふとん)を捨てて椽(えん)より両足をぶら下げている...
夏目漱石 「一夜」
...椽板(えんいた)はすでに朽(く)ちかかっている...
夏目漱石 「草枕」
...椽(えん)に引く裾(すそ)の音さえおのが耳に入らぬくらい静かに歩行(ある)いている...
夏目漱石 「草枕」
...今朝椽(えん)から仰いだあたりかも知れない...
夏目漱石 「草枕」
...花活を持ったまま椽側に立っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...変り色の厚い(ふき)の椽に引き擦るを軽く蹴返(けかえ)しながら...
夏目漱石 「虞美人草」
...女は白足袋(しろたび)のまま砂だらけの椽側へ上がった...
夏目漱石 「三四郎」
...椽側へ半分身体(からだ)を出(だ)しながら...
夏目漱石 「それから」
...しばらく椽鼻(ばな)に立(た)つて...
夏目漱石 「それから」
...其時(そのとき)客の足音(あしおと)が椽側にして...
夏目漱石 「それから」
...わたしの室(へや)の椽側(えんがわ)にある」降れば傘をさすまでも歩く考である...
夏目漱石 「野分」
...吾輩はかつて主人がこの机の上へ昼寝をして寝返りをする拍子(ひょうし)に椽側へ転げ落ちたのを見た事がある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...椽側に寢そべつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...椽側に立出でました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...椽側の隅に古く土に汚れた書籍が一塊りになつてゐた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...彼は椽端の籐椅子に身を落して空を眺めた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...さういふ景色のなかで貝のやうな爪を切る寂しい音がつづく爪は心に重みのあるときや悒悒(くさくさ)したときによく伸びるといふその爪を女が椽側でひつそり切つてゐるのだ...
室生犀星 「忘春詩集」
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