...その椽大(てんだい)の筆を揮(ふる)って下(しも)の社説を公(おおやけ)にした...
芥川龍之介 「馬の脚」
...私も何とはなしになつかしくうれしい気がして日あたりのいゝ椽側に床を引つぱり出してその上に座つて話した...
伊藤野枝 「日記より」
...俳句などには何の理解も持たぬ姉ながら妹に命じて椽の障子を開けさせたり...
富田木歩 「小さな旅」
...菓子箱や絵葉書の箱などが椽端から取り片付けて...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...」二人はそのまま其処の椽側に屈んだ...
豊島与志雄 「囚われ」
...一輪挿(いちりんざし)を持ったまま障子を開(あ)けて椽側(えんがわ)へ出る...
夏目漱石 「虞美人草」
...椽側の滴(したゝり)は其儘にして置いた...
夏目漱石 「それから」
...代助も椽側迄来(き)て...
夏目漱石 「それから」
...椽(えん)は泥だらけである...
夏目漱石 「野分」
...主人に尾(び)して忍びやかに椽(えん)へ廻った...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...お勝手口か椽側から脱け出せないことはありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...椽側に初夏の空を眺めながら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...新しい堂の椽は、狹くはあるが清潔で、歡喜天に見張られながら、調べを進めるのも、なか/\に變つた氣持です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...椽側の日向(ひなた)に座布團を持出して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...廻り椽(えん)の障子(しょうじ)も...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...馳せ出でゝ椽先の洋傘(かうもり)さすより早く...
樋口一葉 「たけくらべ」
...帰朝して忘れられた小間使ひの悲劇をなんの苦もなくこんな小さな額椽の中へおさめて見せて呉れた手際もたしかに川柳と云ふ芸術以外に見られないところだらう...
正岡容 「大正東京錦絵」
...椽側に置いてある籠の鶉...
正岡子規 「夏の夜の音」
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