...夜(よ)ふけの二条(にじょう)の城の居間に直之の首を実検するのは昼間(ひるま)よりも反(かえ)ってものものしかった...
芥川龍之介 「古千屋」
...その高次の彫刻性の一つの彫刻的あらわれとして殆と完璧(かんぺき)に近いミケランジェロの諸作を仔細(しさい)に点検することはわれわれの造型的意識に力と滋味とを与える...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...結い上げた首の髪かたちを点検するが如く死人の面上(めんじょう)へ眼をそゝぐときに...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...注意ぶかく一枚一枚点検する...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...すなわちこの二種の文学についてどこが道徳的でどこが芸術的であるかを分解比較して一々点検するのであります...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...それを抱き起しては首実検するのであったが...
原民喜 「夏の花」
...皮膚を検するに許多の擦傷(すりきず)あり...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...万年草古老伝に此草は当山の霊草にて遼遠に在て厥死活弁じがたきをば此草を水盆に浮るに生者なれば青翠の色を含み若没者なれば萎めるまゝなりとぞ今現に検するに御廟の辺及三山の際に蔓生す毎年夏中是を摘みて諸州有信の族に施与の料とせり其長四五寸に過ぎず色青苔の如し按ずるに後成恩寺関白兼良(かねら)公の尺素往来(せきそおうらい)に雑草木を載て石菖蒲...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...実質を問えども受精したるや否(いな)やを検するもの寡(すくな)し...
村井弦斎 「食道楽」
...その五有信の父旗本伊沢四世吉兵衛正久は、武鑑を検するに、元禄二年より書院番組頭、十四年新番頭、十五年より小姓組番頭、宝永四年より書院番頭を勤め、叙爵せられて播磨守と云ひ、享保十七年には寄合になつてゐた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...これを検することを得る時も...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしはこれを検することを得ない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...武鑑を検するに、岡部氏の上屋敷は山王隣、中屋敷は霞関、下屋敷は渋谷である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...又武鑑を検するに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...柏軒の妻俊の遺文を検するに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この年亀沢町に徙(うつ)って検すると...
森鴎外 「渋江抽斎」
...家のようすを点検するように眺め...
山本周五郎 「山彦乙女」
...もし我々が綿密に『源氏物語』を検するならば...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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