...冷(つめ)たき壁に封(ふう)じたる棺(ひつぎ)のなかに隱れすむ「時(とき)」の老骨(らうこつ)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...棺の前には、薄紫の香煙が、濛々(もうもう)と館の内部を垂れこめていた...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...ミイラの棺からも...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...棺の中の闇と静寂(せいじゃく)とが...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...塚を発(あば)いて棺を破り...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「庚娘」
...原註一 日本では死体は普通殆んど正方形の棺の中に正座の形に置かれる...
小泉八雲 田部隆次訳 「おかめのはなし」
...島村の家で死体を棺に納め...
豊島与志雄 「死の前後」
...「よいか――それっ」棺は...
直木三十五 「南国太平記」
...果然! 寝棺の一端が動き出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...棺にはいくつもの朝日が入れられた...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...夜な/\物置に忍び込んで棺に穴をあけ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...男は編笠をかぶって――清楚(せいそ)な寝棺は一代の麗人か聖人の遺骸(いがい)をおさめたように...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...彼女達をたびたび呪うために棺から起き出して来るだろう...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...白木の棺は私の俥の脇をすれずれに通つて先の方へ行きました...
水野仙子 「響」
...……もっとも死体解剖室に寝棺といえば...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...棺を埋めた花の中で微笑している父の顔の傍へ...
横光利一 「旅愁」
...三四年前反対派の大騒ぎがあつて改葬されたゾラの棺(くわん)はユウゴオと同じ龕(がん)の中に向(むかひ)合せに据ゑられて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...立派な棺槨(かんかく)(墓地(ぼち))が築かれた――...
吉川英治 「三国志」
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