...棹を掉(ふ)っては帰られん...
泉鏡花 「悪獣篇」
...水棹(みずさお)を押(お)していつもするように舳(へさき)を砂浜によせ...
壺井栄 「二十四の瞳」
...江陵去りて行先は武昌夏口の秋の陣一葉(えふ)輕く棹さして三寸の舌呉に説けば見よ大江の風狂ひ焔亂れて姦雄の雄圖碎けぬ波あらく...
土井晩翠 「天地有情」
...そっくりそのまま二階の箪笥に二棹(ふたさお)もあると云うことも...
徳田秋声 「あらくれ」
...隅(すみ)の方に国旗の棹(さお)が建てられ...
徳田秋声 「縮図」
...女の音〆(ねじめ)には似も寄らぬ正しき太棹(ふとざお)の響折々漏れ聞ゆるにぞ談話は江戸俗曲の事また先頃先生のさる書肆(しょし)より翻刻を依頼せられしといふ『糸竹初心鈔(しちくしょしんしょう)』がことより...
永井荷風 「書かでもの記」
...近頃(ちかごろ)どうも安(やす)くつてな」商人(あきんど)はいひながら淺(あさ)い目笊(めざる)へ卵(たまご)を入(い)れて萠黄(もえぎ)の紐(ひも)のたどりを持(も)つて秤(はかり)の棹(さを)を目(め)八分(ぶ)にして...
長塚節 「土」
...櫛のこともこの棹の血も内証だぞ」「ヘエ」平次は外廻りはそれくらいにして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若しそれ花下舟に棹すの雅興に至りては...
原勝郎 「貢院の春」
...太棹の流しを試みては歩行してゐるをんな...
正岡容 「山の手歳事記」
...棹を捨てると遠寄(とおよせ)になる...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...長棹ギッシリ取詰めてエイエイ声を押出して行った時ぁ俺も行きたくってウズウズしたあ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...棹を一(ひ)とさしずつ辷らせた...
室生犀星 「みずうみ」
...吾人(われら)は今文明の急流中に棹(さをさ)して...
山路愛山 「英雄論」
...画舫揺揺徐弄棹...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...舟棹(ふなざお)をさして...
吉川英治 「新書太閤記」
...棹(さお)さして岸へ帰って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...棹立(さおだ)ちとなって狂う馬も少なくない...
吉川英治 「新書太閤記」
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