...徳次はあの長い棹で突張り退けるのだ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...端艇涯(きし)をはなるれば水棹(みさお)のしずく屋根板にはら/\と音する...
寺田寅彦 「東上記」
...棹を取つて強く舷(ふなばた)を撃つ音が両岸の山に響いて凄気を誘ふ...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...馬はパツと棹立(さをだ)ちになると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...船頭の棹の使ひ方が段々調子づいて来て...
原民喜 「潮干狩」
...折(をり)から直(ね)の安(やす)うて嵩(かさ)のある物(もの)より外(ほか)は棹(さほ)なき舟(ふね)に乘合(のりあひ)の胡瓜(きうり)...
一葉女史 「大つごもり」
...心は彼の岸をと願ひて中流に棹さす舟の...
樋口一葉 「花ごもり」
...ここで下座の女に太棹の三味線を弾かせ...
正岡容 「寄席行燈」
...墓は尋常の棹石(さをいし)にて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...バイもボウも棹も同じことで...
柳田国男 「木綿以前の事」
...棹(さお)を使って舟を川へ出した...
山本周五郎 「桑の木物語」
...箪笥(たんす)がそれぞれ二棹(さお)ずつに...
山本周五郎 「さぶ」
...櫃のほうは一棹に八人つき...
山本周五郎 「風流太平記」
...船頭は棹(さお)を突っ張って「さあ出ますよウ」と呶鳴(どな)る...
山本笑月 「明治世相百話」
...棹の上に取り付けてある矢(や)の羽型(はがた)の風車が...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...馬は棹立(さおだ)ちになった...
夢野久作 「暗黒公使」
...三とせ馴染(なじ)みし猫の妻もし恋い死なばかわいやの棹(さお)は契(ちぎ)りのたがやさん庄次郎も音にあわせて唄いだすと...
吉川英治 「松のや露八」
...棹(さお)ぐらいは突けるだろう」「へい」「まあおいでよ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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