...木材の棟木その他の部分は黒く塗ってあり...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...棟を並べた酒倉、白亜塗りの土蔵、石造のがっしりした穀倉、物置、その他雑多な建物の一方に、往還に向って構えられた大きな母家……槻や欅や、裏山に繁る杉の古木に囲まれて、このM盆地の開拓者の誇りを、それは今もって十分に示しているもののようであった...
犬田卯 「荒蕪地」
...女の左手首は棟木から離れた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...棟梁(とうりょう)の材ばかりなり夏木立五月二十三日 大雪崩会歓迎句会...
高浜虚子 「六百句」
...屋の棟三寸下るといったような...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...海から昇った真紅(まっか)な朝陽(あさひ)が長者の家の棟棟(むねむね)を照らしておりました...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...「はい」「つかぬことを承(うけたまわ)るようでございますが……手前は大工が商売でございまして」「あ、大工さんですか」「はい、渡り大工といったようなものでございますが、承れば」承ればを二度ほど重ねたことほど切口上(きりこうじょう)で、弁信の傍へソロソロとやって来て、「こちら様の本堂は棟木(むなぎ)から柱、床板に至るまでことごとく一本の欅(けやき)の木でお建てなすったとやら、その評判をお聞き申しましたものですから、こうして通りがかりに伺いましたようなもので、口幅(くちはば)ったい申し分ですが、この道の後学のためにひとつ、拝見をさしていただきたいとこう思いますんで……」「あ、左様でございましたか」弁信法師もまた、さることありと頷(うなず)いて、「左様なお話を私もお聞き申しておりました、棟より柱、椽(たるき)、縁、床板に至るまで、一本の欅(けやき)を以て建てたのがこの本堂だそうでございます、それはいろいろと因縁話(いんねんばなし)もございますようですが、ともかく、ごゆっくり、ごらん下さいまし……」その道の者が参考に見学したいというのだから、見ても見せても、さしつかえないと弁信がのみこみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そいつは棟木(むなぎ)に穴を掘る鑿ですからね」勘太は昂然として言ひきるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その間に母屋と小屋が二た棟...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僕の病棟はB29で傷つけられた患者で溢れています...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...「棟梁のおじさん」と呼びかけた...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...太い棟木のむきだしになっている天床からは...
山本周五郎 「風流太平記」
...一ツ屋の棟の下に...
吉川英治 「江戸三国志」
...――そんな風潮の中で、棟方与右衛門は、長年笑われ者になって来たのである...
吉川英治 「鬼」
...彼と共に一ト棟の縁に腰かけた...
吉川英治 「私本太平記」
...築城の大工棟梁(とうりょう)には...
吉川英治 「新書太閤記」
...頑健な棟木(むなぎ)...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「ではこちらへ」と我等をそれとは反対の見るからに古びた一棟の方へ導こうとした...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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