...建物(たてもの)で取(とりま)はした此(こ)の一棟(ひとむね)の其池(そのいけ)のある上(うへ)ばかり大屋根(おほやね)が長方形(ちやうはうけい)に切開(きりひら)いてあるから雨水(あまみづ)が溜(たま)つて居(ゐ)る...
泉鏡花 「怪談女の輪」
...翌日になって崑の家は母屋から火が出て幾棟かに延焼し...
田中貢太郎 「青蛙神」
...庭をまわって人事課旅券係といったような別棟へ顔を出す...
谷譲次 「踊る地平線」
...その一棟全体が絵になっているそうだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...信濃の国の御家人角張成阿弥陀仏という者が力者(りきしゃ)の棟梁として最後の御伴(おとも)であるといって御輿(みこし)をかついだ...
中里介山 「法然行伝」
...明日はその繪圖面を龍の口に持參、公儀のお許を願出ようと言ふ時、棟梁の藤兵衞は、自分の引いた繪圖面の中に氣に入らないところがあるから、ほんの暫らく拜見したい――と、石津右門の澁(しぶ)るのも構はず末廣町の自宅に持つて歸り、一と晩止めて、ほんの少しばかり手を入れた上、翌る日は上屋敷に持參、家老石津右門と、用人大垣伊右衞門立合の上、開いて見ると、これが眞つ赤な僞物、――奧州のお城の繪圖面とは似も付かぬ、藤兵衞が江戸で請負(うけおひ)をした、寺や屋敷の繪圖面と變つて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの男なら関宿の浜棟梁の処にいた船印彫師(だしぼりし)の辰三郎といって...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...すこし離れた別棟の小屋の戸があいて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...こんなふうにして棟の終りまで行きつく...
久生十蘭 「魔都」
...突き当りの病棟の二階の端近くにある病室にはいると...
堀辰雄 「菜穂子」
...老婆はその端にある一と棟へかれらを案内した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「よう云うな!汝(われ)や自分の棟の下で飯が食っていけるのは...
横光利一 「南北」
...そちのごとき武家の棟梁(とうりょう)たる者が...
吉川英治 「私本太平記」
...一棟の添屋(そえや)があった...
吉川英治 「新書太閤記」
...大工の棟梁だというではないか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...その井(い)の字なりの町のまんなかにある三棟(むね)の大湯へ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...病棟の各室にもこの前後...
吉川英治 「年譜」
...凡(ただ)の町家や屋敷構えとちがう黒い建物の棟が重なっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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