...柿が芽ぶいた、棗はまだ/\、山萩がほのかに芽ぶかうとしてゐた、藤はもう若葉らしくなつてゐた...
種田山頭火 「其中日記」
...井戸脇の葡萄塀の上の棗(なつめ)...
寺田寅彦 「祭」
...顔一点棗(なつめ)のごとくあかく夕日にひらめきつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...一両人の脚下を潜(くぐ)って棗売りに咬(か)み付くところを猴使いが叱り止めて御無事に事済んだと...
南方熊楠 「十二支考」
...露次ぐちにあった棗(なつめ)の樹...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ちよつと棗(なつめ)ぐらゐは載せておける小さな棚をつけた...
吉川英治 「折々の記」
...重棗(ちょうそう)の如き面(おもて)に...
吉川英治 「三国志」
...野棗(のなつめ)か...
吉川英治 「三国志」
...棗(なつめ)のような眼をみはっている...
吉川英治 「三国志」
...面は丹(に)で塗った棗(なつめ)の如く...
吉川英治 「三国志」
...全体には棗形(なつめなり)だが...
吉川英治 「私本太平記」
...扇ヶ谷の二位どの御所(高時の側室)に仕えていた小女房の棗(なつめ)というものです……と...
吉川英治 「私本太平記」
...お情けにすがらっしゃれ」敵意の殻にとじていた棗も...
吉川英治 「私本太平記」
...そしては棗(なつめ)をポリポリつまむ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...仙界の棗の実などすすめられる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...またここに怪しいのは娘の棗(なつめ)の部屋...
吉川英治 「増長天王」
...師匠は何もかも知っているのだ……色絵の秘法と同時に娘の棗(なつめ)をもゆるしてくれる心であったと兆二郎が...
吉川英治 「増長天王」
...そこの泉が棗形(なつめがた)の鏡のように眼の下に見えたのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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