...棗が若葉を出してゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...・いぬころ草もほうけてきたまた旅に出よう・赤い花が白い花が散つては咲いては土用空・夕焼ふかい蜘蛛の囲でさけぶ蝉あはれ暮れると風が出た月の出を蚊帳の中から・あすの水くんでをく棗はまだ青い夕空・何はなくとも手づくりのトマトしたゝる・ほつと眼がさめ鳴く声は夜蝉・身のまはりは雑草つぎ/\に咲いて・風の子供はかけまはる風八月四日雨もやみ風もおちた...
種田山頭火 「行乞記」
...白百合の花のすがれてはゐれど緑平老に・あれからもう一年たつた棗(ナツメ)が咲いて六月三十日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...棗(なつめ)などの果樹が欝然(うつぜん)と生茂(おいしげ)り...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...露次ぐちにある棗(なつめ)の枯枝や庇(ひさし)さきがひょうひょうとうめき...
山本周五郎 「柳橋物語」
...重棗(ちょうそう)の如き面(おもて)に...
吉川英治 「三国志」
...全体には棗形(なつめなり)だが...
吉川英治 「私本太平記」
...女武者の棗(なつめ)がいま...
吉川英治 「私本太平記」
...棗(なつめ)のような目をクルッとさせて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...お手のものの棗漬(なつめづけ)をいっぱい盛ってきた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そしては棗(なつめ)をポリポリつまむ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そこにいる棗(なつめ)の腐ッたような色の黒い野郎は誰です?」「これですからな」「なるほど...
吉川英治 「新・水滸伝」
...仙界の棗の実などすすめられる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...掌(て)には三粒の棗(なつめ)の核子(たね)を握っていたし...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いかにも棗(なつめ)の眼をひいたろうと思われる...
吉川英治 「増長天王」
...娘の棗に懸想(けそう)して...
吉川英治 「増長天王」
...またここに怪しいのは娘の棗(なつめ)の部屋...
吉川英治 「増長天王」
...棗(なつめ)の姿も兆二郎のかげも...
吉川英治 「増長天王」
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