...そこには四五本の棕櫚(しゅろ)の中に...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...ただ高い棕櫚(しゅろ)の木の梢(こずえ)に白い月が一輪浮んでいるだけです...
芥川龍之介 「白」
...高い棕櫚(しゅろ)の木のかげになったクリイム色の犬小屋が...
芥川龍之介 「白」
...こらどうしたんやろか」そのとき広い廊下の向うの隅にある棕櫚(しゅろ)の鉢植の蔭からヌッと姿を現わした者があった...
海野十三 「蠅男」
...丁度棕櫚(しゅろ)の鉢植の置かれている陰から...
海野十三 「蠅男」
...それから棕櫚(しゅろ)のような鼻毛の光る...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...私は芥川が山吹、棕櫚の葉に、等等の詩稿をみせながらあれこれなほしてゐたことや、アンテナといふことをいつてゐたのを思ひだす...
小穴隆一 「二つの繪」
...天日(てんじつ)のうつりて暗し蝌蚪(かと)の水大正十三年さしくれし春雨傘を受取りし大正十三年棕櫚(しゅろ)の花こぼれて掃くも五六日大正十三年五月十三日 発行所例会...
高浜虚子 「五百句」
...棕櫚(しゅろ)の葉の如く...
太宰治 「春の盗賊」
...六十畳そこそこくらいのものだったでしょうか? あちらの棕櫚(しゅろ)の陰に...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...己はあの棕櫚山を上る時に怪我をした筈だが」と云って...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...棕櫚縄(しゅろなわ)の十束二十束...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...屋根の上に大きく葉を拡げてる棕櫚の風情など...
豊島与志雄 「渡舟場」
...――刈り込まざる髯!棕櫚箒(しゅろぼうき)を砧(きぬた)で打ったような髯――この気魄(きはく)は這裏(しゃり)に磅(ほうはく)として蟠(わだか)まり瀁(こうよう)として漲(みなぎ)っている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...棕櫚(しゅろ)の大鉢を並べ立てた薄暗い部屋の隅から...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...この棕櫚(しゅろ)がよほど多いのであろう...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...棕櫚(しゆろ)や楠(くす)の木などのステツキをもつて来たのがのせてありました...
宮原晃一郎 「鳩の鳴く時計」
...あなたのために成功の棕櫚(しゅろ)を取りましたでしょう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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