...今日は御夫婦で棉採りかな...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...わたしは棉入(わたいれ)を著て丸一日火の側(そば)にいて...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...棉花(めんくわ)も同樣(どうやう)である...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...棉羊と山羊の皮を衣て経あるき...
内村鑑三 「聖書の読方」
...あめりか南部棉花栽培地方のはなし...
谷譲次 「踊る地平線」
...衣服は、当時藩から『御倹約の仰出され』という事が度々あって、その条件には男女共に絹布を着てはならぬ、必ず木棉を着よ、また女の簪(かんざし)に金銀を用いてはならぬと言って、真鍮位を用いさせた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...浜の小砂利の数ほど打てどそもじ見たさに竹で目を衝いたびんびん棉打て畑の茨にとろとろ日が照る山越唄おらも十六七八は同じ問屋の駅路になんぼ恥かしのう殿ご花のやうだと褒られた殿の姿は駅路のそんじさごろも花だわいちらりちらりもめづらしき笠に霙(みぞれ)が降つて来た山は時雨(しぐれ)だのう殿ご萱(かや)の枯穂が動くわい今朝(けさ)も田甫(たんぼ)の田の中に鴨が三疋鳴いてゐた...
野口雨情 「野口雨情民謡叢書 第一篇」
...戦争に役立つものなら、油脂、ヒマ、砂鉄鉱、黄麻、棉実の果てまで、無限に取込もうという勢いで、材料処理のための技術官、輸送主任、会計経理官、国際法に精通した法務官、商事法律顧問などのブロックが匿名の購入班長に統轄され、日本人、混血児、中近東人のバイヤーなどがヨーロッパ中を飛びまわり、障壁と妨害の裏を潜って資材蒐集に狂奔している...
久生十蘭 「川波」
...私達若い青年はこの時代にあつてはみな黒地に白ぬきの木棉の紋附に...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...政府は米にも棉にも高い保護税をかけて...
柳田国男 「故郷七十年」
...彼女たちは円光のように身体の周囲に棉の粉を漂わせながら...
横光利一 「上海」
...二三円筒から墜落する滝の棉(わた)...
横光利一 「上海」
...奔流する棉の流れの中で工人たちの夜業は始まっていた...
横光利一 「上海」
...高重は棉の粉を顔面に降らせながら...
横光利一 「上海」
...」棉を冠って群れ動く工女の肩が...
横光利一 「上海」
...梳棉部(カード)の方へ疾走した...
横光利一 「上海」
...棉の塊りは動乱する頭の上を躍り廻った...
横光利一 「上海」
...紐育(ニューヨーク)とリバプールと大阪の棉製品が昂騰した...
横光利一 「上海」
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