...今日は大いそぎで棉を採り片付け...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...点々として畑中白くなっているその棉に朝日がさしていると目(ま)ぶしい様に綺麗だ...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
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榎南謙一 「無念女工」
...あめりか南部棉花栽培地方のはなし...
谷譲次 「踊る地平線」
...もしも棉栽培が全耕地の五パーセントに達すれば...
豊島与志雄 「秦の出発」
...なかには二宮先生の、そのお触書を見て、直ぐに馬に乗って先生をおたずねして、その仕方を丹念に聞き取ってから、村々をお諭(さと)しになって、木棉畑をつぶし、お堂やお寺の庭までも、蕎麦や大根をお作らせなさいましたお奉行様もありましたが、下野(しもつけ)の国の真岡(もうか)近在は、真岡木綿の出るところですから、木棉畑がうんとある、せっかくのその畑をつぶして、ほかの作物を作ることをイヤがる人が多いには、先生も困ったそうでございますが、その時に先生が、それではあきらめのために、木棉畑のいいところを少し残して置いてみなと、所々へ一反ぐらいずつ木棉畑を残させてみますと、秋になって棉実(わたのみ)が一つも結ばないのでなるほどと、はじめて感心したそうでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...鼻孔には棉(わた)の栓(せん)が血に滲(にじ)んでおり...
原民喜 「廃墟から」
...もっさりした棉紗のカーテン越しにおずおずと内部(なか)を覗(のぞ)き込んで見ると...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...まわりの毛が棉の木についている棉花のようなフワフワした和毛(にこげ)なので...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...茨城県に棉畑を奨励しようとして...
柳田国男 「故郷七十年」
...周防が低く云った、「まるでいまわれわれの置かれた立場のように暗い、あすの日なにが起こるか、どこにどんな落し穴があるかわからない、この闇には灯が一つあればいいけれども、われわれにはその一つの灯さえないのだ」「松山は疲れている」と甲斐が云った、「別れよう、大事にしてくれ」雪十二月二十五日、――伊達家では亀千代の家督の礼として、基近(もとちか)の太刀、棉五百把(ぱ)、銀五百枚を将軍家に献上した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...養蠶の外に稻は俵にはいつて、今田舍は大根ぬきで忙しい、棉もとれた、そちこち棉ぶちのビン/″\の音も聞える...
横瀬夜雨 「花守」
...強風のために米棉相場が上り出した...
横光利一 「上海」
...前からこの印度棉が支那の棉花を圧倒しつつある現象を知っていた...
横光利一 「上海」
...舞い上る棉の粉が...
横光利一 「上海」
...」棉を冠って群れ動く工女の肩が...
横光利一 「上海」
...廊下に積み上った棉の間には...
横光利一 「上海」
...原棉が通過しなければならぬ種々なる行程のいずれか一つにおいて...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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