...メダルそのものは仮令棄てることが出来ても...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...それでも思いきって棄てるだけの勇気は出ず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...道に棄てると云ふ様なこともありまして...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...赤合羽に包んで橋の袂(たもと)に棄てるといふのは腑に落ちないことだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...證據は一つもないんですもの」「この場限りに聞棄てるとして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この遊女崇拜の愚(おろ)かしきボスを見棄てるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さういふ彼には遂にその故郷を棄てるべく決意する日が來た...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...私は私の「にほひあらせいとう」説を棄てることにしたが...
堀辰雄 「(ポオル・モオランの「タンドル・ストック」)」
...然し「理解出来ないから振り棄てる...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...直し様もないので棄てるつもりで日向に投げ出したのです...
牧野信一 「趣味に関して」
...取り棄てるより外に用いようはなかった...
室生犀星 「生涯の垣根」
...しかしあの綺麗な肉を五味の中に棄てるのが惜しかつたので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...だが工藝においては用を見棄てることは美を見棄てることに過ぎない...
柳宗悦 「工藝の道」
...一人の孝行者がどうしても棄てることができず...
柳田国男 「母の手毬歌」
...棄てるなら……助けると思うて……酒屋の前へ棄ててくれい...
夢野久作 「近世快人伝」
...私がそこのボーイになっておりますうちに受取人のない小包郵便を焼き棄てるのを手伝わされた事があります...
夢野久作 「暗黒公使」
...僕は品夫を殺さない決心ですから……品夫を見棄てる気は毛頭(もうとう)無いのですから...
夢野久作 「復讐」
...植物の奴は動物と違って食糧の残滓を体の外に棄てることを知らない――...
蘭郁二郎 「植物人間」
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