...お前は全體そんな風にしてお前の一番神聖な義務を棄てることが出來るのか?ノラ 私の一番神聖な義務といふのは何でせう?ヘルマー それを私に尋ねるのかい...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...音もさらさらと天の眞名井(まない)の水で滌(そそ)いで囓(か)みに囓(か)んで吹き棄てる息の霧の中からあらわれた神の名はタギリヒメの命またの名はオキツシマ姫の命でした...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...それでも思いきって棄てるだけの勇気は出ず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...棄てる神あれば助くる神ありで...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...しゅっと云わせた燃え残りを池の水に棄てる...
夏目漱石 「虞美人草」
...書き更めたるが(百二枚)純粋さを失ないし感あるによってこれを破り棄てることにした...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...「愛」がなんらかの卑劣な妥協を含むなら、棄てること...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...もしお前が彼(あれ)を見棄てるやうなことがあつたら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...彼は決して自分の計画を棄てるのではない...
平出修 「計画」
...この喜びを棄てることは出來ない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...今やそれはまったく私を見棄てるのほかはない...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...その作家が自分を棄てるのにどれだけ獨得の苦痛をかけたか...
堀辰雄 「小説のことなど」
...一日も速かに怒山の里を見棄てる決心だつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...上着を脱ぎ棄てると...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...技巧を棄てるといふことが...
牧野信一 「浪曼的時評」
...一人の孝行者がどうしても棄てることができず...
柳田国男 「母の手毬歌」
...「子供を棄てる奴が湯に這入って帰るチウは可笑(おか)しいじゃないか...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...人間一代を棄てるねうちがあるかも知れぬ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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