...即ち言葉を智的生活の桎梏(しっこく)から極度にまで解放し...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その批判の奧から痛々しく沁み出て來る如何することも出來ない運命の桎梏と複雑な人間性...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...国士という桎梏(しっこく)から全く解放されたものは先ずなかった...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...久しく桎梏(しっこく)に苦しんで来た黒人も今では合衆国民として白人同等の地位に置かれ...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...彼らの人生は自制という名の絶え間なき桎梏だった――さりとてこの桎梏を緩めるためちらりと目を交わそうとも...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...この氷の桎梏(かせ)からのがれ得ることを祈る...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...広い宇宙に生きて思わぬ桎梏(かせ)にわが愛をすら縛らるるを...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...生産力の発達を妨げる処の桎梏という形にまで転化して了う...
戸坂潤 「科学論」
...身分とか職業とか疎外された人間の桎梏に対立する人間となること...
中井正一 「「見ること」の意味」
...女の桎梏からはなたれて自由人になれる...
中村地平 「悪夢」
...一方を逃(のが)れようとしてまたそこに桎梏(しっこく)の枷(かせ)を打たれてしまった...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...桎梏(しっこく)をかなぐりすてた女性は...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
...はたして自ら時間性の桎梏に呻くを免れ得るであらうか...
波多野精一 「時と永遠」
...いろいろ思い回(か)えして見れば、女工や鉱婦や淫売婦達が虐げられている事実など空ふく風に、華やかな電燈の下で音楽と酒と白粉(おしろい)の香に陶酔して、制度の桎梏も、生活苦も知らずに幸福な夢をむさぶっているように見えるウェイトレスの生活も、余りに悲惨な存在である...
細井和喜蔵 「女給」
...今ではそれの發展に對する桎梏にまで轉化した...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...女らしさというものの曖昧で執拗な桎梏に圧えられながら生活の必要から職業についていて...
宮本百合子 「新しい船出」
...そうしてこのことはいつか価格にまつわる桎梏(しっこく)からの離脱を...
柳宗悦 「工藝の道」
...王女の桎梏(しっこく)を脱け出して...
吉川英治 「随筆 新平家」
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