...唯物の桎梏(しっこく)から人間性への解放であることを知るに難くないであろう...
有島武郎 「想片」
...畢竟一つの桎梏を作家に加えるわけになる...
高村光太郎 「緑色の太陽」
...印度婦人は幕組織(バルダーシステム)という社会制度の桎梏(しっこく)に煩(わずら)わされて一切の異性との交際を厳禁せられ...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そのイモシヨウチユウの桎梏から逃れたと思つたら...
種田山頭火 「行乞記」
...広い宇宙に生きて思わぬ桎梏(かせ)にわが愛をすら縛らるるを...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...生産力の発達を妨げる処の桎梏にまで転化して了う...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...プロレタリア文学の従来の桎梏を打ち倒さねばならぬと主張する...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...単に桎梏としての伝統でしかない...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...こうした薄命な悲惨と煩悶(はんもん)との桎梏(しっこく)であろうか...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...「党」的強権主義の桎梏かち離脱させなければいけない...
豊島与志雄 「性格を求む」
...身分とか職業とか疎外された人間の桎梏に対立する人間となること...
中井正一 「「見ること」の意味」
...無理解な統制制度の桎梏とに苦しめられながら...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...桎梏(しっこく)の枷(かせ)をはめられて残された武子さんの感慨は無量であったろう...
長谷川時雨 「九条武子」
...一方を逃(のが)れようとしてまたそこに桎梏(しっこく)の枷(かせ)を打たれてしまった...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...恐ろしい重さでのしかかってくる岩盤の桎梏(しっこく)のしたからツイとすりぬけた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...女らしさというものの曖昧で執拗な桎梏に圧えられながら生活の必要から職業についていて...
宮本百合子 「新しい船出」
...そうした桎梏の環境のなかで揉まれながら冷たくかたい凍原のなかで春を待っていたのである...
村山俊太郎 「子どもの世界」
...王女の桎梏(しっこく)を脱け出して...
吉川英治 「随筆 新平家」
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