...その批判の奧から痛々しく沁み出て來る如何することも出來ない運命の桎梏と複雑な人間性...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...正義はその立つ支柱を失ひ是(こゝ)にやうやく桎梏となつて偉大なる殿堂を自壊に導く...
上里春生 「傾ける殿堂」
...いかにもいそがしいこの人生の生活の桎梏から解放されて...
上村松園 「余齢初旅」
...印度婦人は幕組織(バルダーシステム)という社会制度の桎梏(しっこく)に煩(わずら)わされて一切の異性との交際を厳禁せられ...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...生産力の発達を妨げる処の桎梏にまで転化して了う...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...その桎梏へと逆転する...
戸坂潤 「辞典」
...プロレタリア文学の従来の桎梏を打ち倒さねばならぬと主張する...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...彼には桎梏あり、此にはこれなきがために非ずや...
登張竹風 「美的生活論とニイチエ」
...こうした薄命な悲惨と煩悶(はんもん)との桎梏(しっこく)であろうか...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...身分とか職業とか疎外された人間の桎梏に対立する人間となること...
中井正一 「「見ること」の意味」
...無理解な統制制度の桎梏とに苦しめられながら...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...かくて時間性の桎梏に呻かしめる...
波多野精一 「時と永遠」
...その桎梏(しっこく)ともなった...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...即ちイデオロギーは經驗の發展形式からそれの桎梏にまで轉化する...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...封建的な桎梏から自由になって民主化するということで...
宮本百合子 「合図の旗」
...女らしさというものの曖昧で執拗な桎梏に圧えられながら生活の必要から職業についていて...
宮本百合子 「新しい船出」
...そうしてこのことはいつか価格にまつわる桎梏(しっこく)からの離脱を...
柳宗悦 「工藝の道」
...王女の桎梏(しっこく)を脱け出して...
吉川英治 「随筆 新平家」
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