...案のごとく穿孔虫がまして孔だらけだ...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...しかるにあるものが、その木に朽ちたる穴があるから、この穴の中になにか動物が住んでいるのではあるまいかと思い、黏(もち)を塗り置きしところ、案のごとく、やがてみみずく二羽捕らわれたという話が、『東北新聞』にて報じてあった...
井上円了 「おばけの正体」
...案のごとく石橋主義だ...
中勘助 「結婚」
...その報告を綜合してみると……案のごとく男女の抱合い死体であったこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...鸚鵡の声も案のごとく聞えなくなったが下層にいるときは考だに及ばなかった寺の鐘...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...案のごとく三輪田のお光さんが出てきた...
夏目漱石 「三四郎」
...おやまあ御珍らしい事とか何とか話かけて見ると案のごとく...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...「君の創作なら面白いものだろうが、一体何かね」「脚本さ」と寒月君がなるべく押しを強く出ると、案のごとく、三人はちょっと毒気をぬかれて、申し合せたように本人の顔を見る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...しばらくすると案のごとく敵は邸内に乗り込んで来たものと覚しく...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...各集り居るに案のごとく白鼠出で来る...
南方熊楠 「十二支考」
...で、からかッてやった事もございましたが、案のごとく、何も耳新しいことは持ってまいりは致しません」「老人老人……」と万太郎はもう千蛾の話などはうわの空で――「これはどうやら御本丸を中心とした江戸絵図らしく思われるが」「左様、まず町絵図にそっくりでございます...
吉川英治 「江戸三国志」
...案のごとく万太郎は...
吉川英治 「江戸三国志」
...「案のごとく、ただ今、東方から続々と影を見せて来た軍勢は、敵にはあらで、曹将軍の御弟曹洪(そうこう)を大将とし、李典、楽進を副将として、先陣の後ろ備えとして参った歩兵勢(かちぜい)三万にござります」帝は、いやが上にも、歓ばれて、「またも、味方の勢か」と、一度に御心を安んじて、かえって、がっかりなされたほどだった...
吉川英治 「三国志」
...関興、張苞(ちょうほう)などの若手組は、案のごとく、この陣払いにたいして、不満を表示したが、それも楊儀になだめられて、着々ここを引揚げにかかりだした...
吉川英治 「三国志」
...で大急ぎに、飛脚包みから出た紙入れをあらためてみると、案のごとく、金はなかったが、一通の手紙が中に潜(ひそ)んでいた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そこを下りて、しばらく横へ歩いて行くと、案のごとく、仲間部屋(ちゅうげんべや)の者が博奕(ばくち)や夜遊びに出入りする隠し道、弦之丞は、まんまと蜂須賀家の囲い内へ出た...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...案のごとく、洲本(すもと)の沖あたりから、それらしい船が後ろから白浪を蹴立ててくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...どうぞこちらへ」案のごとくにひどい部屋であった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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