...根津を抜けて帰るつもりであったが頻繁に襲って来る余震で煉瓦壁の頽(くず)れかかったのがあらたに倒れたりするのを見て低湿地の街路は危険だと思ったから谷中三崎町(やなかみさきちょう)から団子坂へ向かった...
寺田寅彦 「震災日記より」
...不断は眠っているような静かな根津の通りであったが...
徳田秋声 「あらくれ」
...斎藤月岑の東都歳事記に挙ぐるものを見れば、谷中日暮里の養福寺、経王寺、大行寺、長久院、西光寺等には枝垂桜があり、根津の社内、谷中天王寺と瑞輪寺には名高い八重咲の桜があったと云う...
永井荷風 「上野」
...莫約(オホヨソ)根津ト称スル地藩ハ東西二丁ニ充タズ...
永井荷風 「上野」
...不忍池の根津から本郷に面するあたりは殊にさびしく...
永井荷風 「上野」
...下谷佐竹ヶ原、根津(ねづ)、入谷(いりや)、芝愛宕下(しばあたごした)、小石川柳町、早稲田鶴巻町(わせだつるまきちょう)辺、いづれも話には聞きたれど、これらは親しく尋ね究むる暇なかりしものなればここには記さず...
永井荷風 「桑中喜語」
...根津(ねず)の大観音(だいかんのん)に近く...
夏目漱石 「僕の昔」
...根津(ねづ)の大工で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...根津に良い猿が居るという噂を聴いて来た――ということにして」「もう一度呆れるよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ソロ/\と行つて」「何處へ行くんです」「根津の辰三郎といふ棟梁(とうりやう)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ここの息子が根津なにがしとか云う活動役者だそうだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...根津権現の祭神は素戔嗚尊であると謂はれてゐるが...
正岡容 「根津遊草」
...三遊亭円朝の作物には根津界隈を舞台としたものが寡くない...
正岡容 「根津遊草」
...」「そのころは根津へ電車が通るようになるでしょうね...
室生犀星 「或る少女の死まで」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...安達が根津の八幡楼(やわたろう)という内のお職と大変な関係になった...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...茅町を根津の方へ走る人力車を見ていたが...
森鴎外 「雁」
...本郷根津邊のめし屋でよく醉つてゐると戰爭中に聞いたときは...
吉川英治 「折々の記」
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