...ただ一つ清浄無垢(せいじょうむく)な光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるということは……清逸は何んといっても微(かす)かな未練を感じた...
有島武郎 「星座」
...慌てゝ蟆口から根こそぎ中のものを取り出して...
有島武郎 「骨」
...根こそぎ壊すのに役立つどころか...
海野十三 「怪塔王」
...あるものは根こそぎにして放り出してあるといった塩梅(あんばい)で...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...かれらを根こそぎに討ち亡ぼしてしまいたい...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...所蔵の刀剣全部を根こそぎ久原(くはら)家へ売渡す事に定(き)めた...
薄田泣菫 「茶話」
...私の生命は根こそぎ揺り動かされている...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...または根こそぎになった松の木が燃料となる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その肝腎(かんじん)なものを箆(へら)で掬(すく)ったように根こそぎ殺(そ)がれて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...身内の者が一人でも殘れば小堀の家を根こそぎ引つくり返してやるよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...根こそぎ洗い出してみる」平次はそう言いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...身上(しんしやう)を根こそぎ持つて行かれた上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...根こそぎ調べなきやなるまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今度こそ根こそぎ叩きつけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...其処に生えていた水楢(みずなら)の若木が根こそぎ湖水へ横倒しにされながら...
堀辰雄 「晩夏」
...風は呻(うめ)きをあげて根こそぎにひっ咆哮(ほうこう)した...
本庄陸男 「石狩川」
...根こそぎ活動をつゞけた嵐と嵐が...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...性慾を根こそぎ抜いてしまつた去勢されてゐた俳句に...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
便利!手書き漢字入力検索