...たとい捨てられるまでも一度は倉地の心をその女から根こそぎ奪い取らなければ堪念(たんねん)ができないようなひたむきに狂暴な欲念が胸の中でははち切れそうに煮えくり返っていた...
有島武郎 「或る女」
...ただ一つ清浄無垢(せいじょうむく)な光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるということは……清逸は何んといっても微(かす)かな未練を感じた...
有島武郎 「星座」
...根こそぎ壊すのに役立つどころか...
海野十三 「怪塔王」
...現代の世界を根こそぎひっくりかえして共産主義の世界にし...
海野十三 「太平洋魔城」
...大阪を中心とする軍需工業地帯を根こそぎたたきつぶしてしまう」「ふふん...
海野十三 「太平洋魔城」
...又あの鈍い圧迫の下敷にして彼の気力を根こそぎにしてしまふだらう...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...あるかぎりの身内の力を根こそぎ奪い去ってしまったような心持をさせるのである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...身内の者が一人でも殘れば小堀の家を根こそぎ引つくり返してやるよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その一家一族を根こそぎ洗ひ出し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...文学の根本から根こそぎに抜き去ろうと考えた...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...それに胃腸も根こそぎ痛めてしまったので...
林芙美子 「新版 放浪記」
...この調子ではパリ組も根こそぎ参るにちがいないと思ってよろこんでいた...
久生十蘭 「だいこん」
...そこで根こそぎぶっつぶそうと言うコンタンからだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...根こそぎ邪魔は除けなかったでしょう」と老母はつづけた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...自分の生命も財産も根こそぎ奪い去られるであろうドタン場を眼の前に夢想しつつ...
夢野久作 「鉄鎚」
...根こそぎの叢(くさむら)の大塊...
夢野久作 「戦場」
...根こそぎにされた鶏血草がうごきます...
吉川英治 「江戸三国志」
...根こそぎ焼き払わねば...
吉川英治 「新書太閤記」
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