...細君の方は極めて柔順な奴隷であったろうが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ひどく柔順なそして慕ひ寄るやうな態度を持つてゐた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...貞淑で柔順なる妻であることの代償として...
谷崎潤一郎 「鍵」
...圧制に服従するのに永い間慣れていた人間に見られる柔順な態度で...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...旧自由党は之れに柔順なる服従を表するの外...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...僅に軍事費に於て四十余万円を削減したる議会の柔順なるにも驚かざるなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...お前は雇人じゃないか」「…………」「口幅ったいことをおいいでないよ」柔順な若い男は...
中里介山 「大菩薩峠」
...極めて柔順なものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...柔順な、純真なあの子を、わが心のひがみから、あまりにも虐げ過ぎたと自覚した時には、たまらない悔恨に責められる...
中里介山 「大菩薩峠」
...柔順な女と、我の強い女を、藤尾と糸公に依って対照させ、そして、然(そ)うした性格の異る二個の女性の運命を書いて見せたのかと云うのかね...
「予の描かんと欲する作品」
...はびこらずに謙遜(けんそん)に柔順なるこそ真に世に処する妙法である...
新渡戸稲造 「自警録」
...柔順なる人は永久にこの世の継続者である...
新渡戸稲造 「自警録」
...無理に柔順ならしむるをもって役人の得意となせしことなれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...聖明の君と賢良の士と柔順なる民とその注文はあれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...柔順なそして健気な心を持つた女であるのだらう!「私...
水野仙子 「脱殼」
...指のさしようもない柔順な心を持った娘になって参りました...
夢野久作 「霊感!」
...あとは柔順な態(てい)で言った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...こんな柔順な男は少ないとすら思っていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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