...柔順な僕で且つ同盟者ではなかつたのか」と彼等は問ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...軛(くびき)にかかった輓牛(ひきうし)のような柔順な忍耐と覚悟とをもって...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...女子は男子に対してあくまで柔順なれとのみ教える...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...一般の人民が政府に対して柔順なうちはよろしいが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...流れる水のように柔順なその姿のどこに生後一年の溌剌(はつらつ)さが宿っているのだろうか...
壺井栄 「一つ身の着物」
...圧制に服従するのに永い間慣れていた人間に見られる柔順な態度で...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...侯爵さま!」と襤褸を著た柔順な一人の男が言った...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...口を利いた例の柔順な男の声は...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...余の馬は極めて柔順なれど...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...僅に軍事費に於て四十餘萬圓を削減したる議會の柔順なるにも驚かざるなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...思うままになる柔順な玩具として彼を好きだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...おどろくばかり柔順なのは駒井甚三郎で...
中里介山 「大菩薩峠」
...柔順な、純真なあの子を、わが心のひがみから、あまりにも虐げ過ぎたと自覚した時には、たまらない悔恨に責められる...
中里介山 「大菩薩峠」
...大和の奈良の春日山の神鹿の祖、ここに数千の野生の、しかも柔順な、その頭には雄健なる角をいただいて、その衣裳にはなだらかな模様を有し、その眼には豊富なるうるみを持った神苑動物の野生的群遊を、その豪宕な海と、閑雅なる松林の間に想像してみると、これも、すばらしい画題だ! その群鹿の中に取囲まれて、人と獣とが全く友となって一味になって、悠遊寛歩する前代人の快感を想像する...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひとたび信者となってからは手を覆(くつがえ)したごとく温和な柔順な...
新渡戸稲造 「自警録」
...柔順なる人は永久にこの世の継続者である...
新渡戸稲造 「自警録」
...無理に柔順ならしむるをもって役人の得意となせしことなれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...聖明の君と賢良の士と柔順なる民とその注文はあれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
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