...愛子は柔順に起き上がってそっと蚊帳をくぐって出て...
有島武郎 「或る女」
...柔順(すなお)に別れ話にした早瀬さんも感心だろう...
泉鏡花 「婦系図」
...」「何か意味のありそうな話じゃないか?」「詳しうすれば長なろけれど、大石という人はもとから忠実で、柔順で、少し内気な質であったと思い給え...
岩野泡鳴 「戦話」
...なにか気味悪いほどの柔順さでその場を立ち退いた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...三藏は人に對して極めて柔順で素直で氣が弱くつて...
高濱虚子 「俳諧師」
...表に見えるほど柔順(すなお)ではなかった...
徳田秋声 「足迹」
...柔順な、純真なあの子を、わが心のひがみから、あまりにも虐げ過ぎたと自覚した時には、たまらない悔恨に責められる...
中里介山 「大菩薩峠」
...いづれも柔順(おとな)しい子供(こども)を持(も)つて育(そだ)てるに手(て)は懸(かゝ)らず人(ひと)には褒(ほ)められる...
樋口一葉 「十三夜」
...其柔順とは言語挙動の柔順にして...
福沢諭吉 「新女大学」
...柔順なそして健気な心を持つた女であるのだらう!「私...
水野仙子 「脱殼」
...かの女は柔順に男を出してやり...
室生犀星 「香爐を盗む」
...我々よりも柔順で融通のきく人たちの方にお願いしよう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どこまでも柔順な妾の家来になり切っていた...
夢野久作 「ココナットの実」
...『麗景殿の柔順もいいが...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...伊那丸(いなまる)にたいしては柔順(じゅうじゅん)であり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あとは柔順な態(てい)で言った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...彼のそんな柔順を信じなかった...
吉川英治 「日本名婦伝」
...こんな柔順な男は少ないとすら思っていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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