...良い純粋な水は硬水と呼ばれるものよりも動物の線維および野菜の物質を容易に柔らかくする...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...柔らかな光をたたえながら...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...県出身の若き将校らの悲壮な戦死を描いた平凡な石版画の写真でも中学生のわれわれの柔らかい頭を刺激し興奮させるには充分であった...
寺田寅彦 「映画時代」
...柔らかい白い灰は上の藁灰(わらばい)の圧力にたえかねて音もせずに落ち込んでしまった...
寺田寅彦 「凩」
...それがちょっとつま楊枝(ようじ)の先でさわってもすぐこぼれ落ちるほど柔らかい海綿状の集塊となって心核の表面に付着し被覆しているのである...
寺田寅彦 「小爆発二件」
...千鶴子は手柔らかにすき始めぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...勝手しだいに若いものの柔らかい精神を動かして来たのが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...柔らかいところと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...脚と腕の肉附きから腰の丸味――富士額(ふじびたい)――触覚からいえば柔らかい慈味(じみ)のしたたる味から...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...柔らかに弱々しくいらっしゃって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...このさかなは骨が柔らかくてぽりぽりと子供の齒でもたやすく食べられる...
室生犀星 「末野女」
...柔らかいその声を...
山本周五郎 「山彦乙女」
...柔らかそうであった...
山本周五郎 「夕靄の中」
...よく肥えている菜や大根や葱(ねぎ)のあいだの柔らかい土を踏んで行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...柔らかい羽も腹もきれいに斬れて半分になっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...柔らかで細かい、静かで淡い全体の調子も、この動機を力強く生かせている...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
...しかし白色に適度の柔らかみ...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
...たとえば薬師寺の薬師三尊のあの柔らかく緩んだ胸や腹の肉づけなどを見れば...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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