...表面些つと女性的に見えて柔しいので...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...柔しい巴旦杏表情になって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...「どうしたの?」と重ねて柔しく問うた...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...むしろ懐柔しようという風であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...懐柔したところで結局...
中里介山 「大菩薩峠」
...身も心も捨てゝ僕のいふが儘になる柔しい女であることを今更のやうに感じた...
長塚節 「開業醫」
...といつて柔しみなどは目にも口元にも少しも見ることが出来ない...
平出修 「逆徒」
...榮一は柔しく訊いて弟の心の底を索(さぐ)らうとしたが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...インド人を英国に懐柔して大功あった...
南方熊楠 「十二支考」
...妙に音楽にでも誘われたような柔しくうっとりとしたような声であった...
室生犀星 「音楽時計」
...顔の中にある柔しいものを見せてくれるものであって...
室生犀星 「陶古の女人」
...つづめて言へばそんな日の仲間は柔しかつた...
室生犀星 「めたん子傳」
...わざとそうやって敵を懐柔し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...徐々に懐柔して再び家の飼猫に...
柳田國男 「どら猫観察記」
...輕い柔しい微笑が脣邊(しんぺん)に漂ふ...
吉江喬松 「霧の旅」
...此氷が溶けて、流れて洋々たる眺めとなるまでは、山は柔しい、懷しみを人に示さない...
吉江喬松 「山岳美觀」
...それが灰色がゝつた青みを帶んでゐて、いかにも柔しく、そしてまつたく無邪氣でもあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...其の人に對する尊敬と柔しさとが彼女を襲つて來た...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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