...兎(と)に角(かく)或柔い物が、柔いなりに、むづりむづりと、食道を上へせり上つて来るのである...
芥川龍之介 「酒虫」
...若しそこに柔い寝台が無かったら帆村の両眼はぽんぽん飛び出していたかも知れない...
海野十三 「蠅男」
...暖くて柔い触手の様なものでくすぐられるのを感じていた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...みんなその水車の柔い...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...任せた柔い真白い胸もと...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...それから冬から春に変りゆく太陽の輝かしい柔い光線...
豊島与志雄 「過渡人」
...その輪がたにならんだ長い短い管の ひゆひい と柔い雑多な音をだすのが弱い神経に程よい快感をあたへる...
中勘助 「銀の匙」
...心の持方は剛柔いずれとすべきか僕は近ごろある人が僕の知人を批評するのを聞いた...
新渡戸稲造 「自警録」
...柔い炬燵(こたつ)蒲団をはぐつて...
林芙美子 「浮雲」
...「あゝ極楽! 極楽!」すべすべと柔い十子のふくらっはぎに私の足がさわると...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...内部には柔い夢想が育まれてゐた...
原民喜 「滑走」
...柔い光がにじみ出ていた...
火野葦平 「花と龍」
...岩も柔いやうだな...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...大卓子の一隅からのデスク・ラムプの乳色を帯びた柔い光とを受け...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...柔い事といったら肉も骨も口へ入れて溶けるようだろう...
村井弦斎 「食道楽」
...僕だって今に柔い方が好きになるよ...
村井弦斎 「食道楽」
...柔い砂を靴先で蹴り蹴り歩いた...
横光利一 「旅愁」
...柔いのやら堅いのやらだ...
吉川英治 「押入れ随筆」
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