...彼女も彼と馴染むことは本望(ほんまう)だつたのに違ひなかつた...
芥川龍之介 「貝殼」
...――――今も蚊帳に染む梅花の薫(かおり)...
泉鏡花 「悪獣篇」
...襷(たすき)かけたる腕(かいな)に染むが...
泉鏡花 「海異記」
...自余の諸国になんで一指を西蔵(チベット)に染むるを欲するものがあろう...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...口惜しいわ!」百合子は下唇を血の染むほど噛みしめて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
... 140やがて累々重なりて血は原頭を染むる時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 295鮮血染むる腦髓は槍の身傳へ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...清くいみじく比なくおほ空高く星に照り下かんばしく花に笑み虹のなゝ色ちごのため西の夕榮老のため染むる光のたふとしや...
土井晩翠 「天地有情」
...虹の七色空の色染むるかしばしうたかたを旭日の光てらすとき――あゝ喜びかまがつみか幸か恨みか分かねども戀よ我世の春の夢さめなばよみの門口に「生ける」屍を誘へかし...
土井晩翠 「天地有情」
...窓前一樹染むるがごとく紅(くれない)なる桜の梢(こずえ)をあざやかに襯(しん)し出(いだ)しぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...幸ひにして日本諸島は未だ「併呑」政府の手を染むる所ならず...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...独り伯の指導する外交機関に対しては復た一指を染むる能はずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...も少し馴染むまでは遠くへ連れていってはいけない...
豊島与志雄 「子を奪う」
...之を目にすればいつとはなく野卑蕪雑の文辞に馴れ浅陋軽薄の気風に染むに至ればなり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...朔北(さくほく)の曠野(こうや)を染むる血潮の何万分の一かは...
夏目漱石 「草枕」
...血潮に染むのも構はず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――お孃さんの氣に染む筈はないから――とはつきり斷はりました」主人金兵衞の...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...涙を以て竹を染む...
南方熊楠 「十二支考」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??