...彼女も彼と馴染むことは本望(ほんまう)だつたのに違ひなかつた...
芥川龍之介 「貝殼」
...露臺(ばるこん)の欄にもたれてもの思ふうたびとの眼のやわらかさかなあはれにも宴(うたげ)あらけてめづらしき異國の酒の香のみ殘れるゆふぐれの河岸にただずみ水を見る背廣の人よ何を思へる諸聲(もろごゑ)の流行の小唄身にぞ染む船の汽笛の玻璃に鳴る時いまも汝(な)は廣重の繪をながめつゝ隅田川をば戀しとおもふや(明治43・9・23「東京朝日新聞」)...
石川啄木 「吉井君の歌」
...――――今も蚊帳に染む梅花の薫(かおり)...
泉鏡花 「悪獣篇」
...緑再び染むる無し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...清くいみじく比なくおほ空高く星に照り下かんばしく花に笑み虹のなゝ色ちごのため西の夕榮老のため染むる光のたふとしや...
土井晩翠 「天地有情」
...嗚呼かぐはしき天地のたくみをいかにたゝへましひとつの氣(いろ)をもとゝして染むるいくその匂ぞや...
土井晩翠 「天地有情」
......
永井荷風 「江戸芸術論」
...悪を憐みて遂に悪に染むと...
永井荷風 「猥褻独問答」
...募つてくる夜の寒さに軋む雨戸の音さへ身に染む程の靜けさで...
南部修太郎 「S中尉の話」
...その白露が如何にして秋になれば紅葉は紅に銀杏は黄色に染むるであろう...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...血潮に染むのも構わず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血潮に染むのも構はず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...わが心寂しき色に染むと見き火の如してふ事の初めに火の如き事の初めとは恐らく交歓第一夜を斥すのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
... 朝顔や紺(こん)に染めても強からず也有(やゆう)糸抔(など)を紺に染むれば糸が強く丈夫になるとは俗に言ふ所なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...涙を以て竹を染む...
南方熊楠 「十二支考」
...山姫の染むる心はわかねども移らふかたや深きなるらん事実に触れるでもなく書かれてある総角(あげまき)の姫君の字の美しさに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
森鴎外 「渋江抽斎」
...碧血(へきけつ)草を染むる...
吉川英治 「新書太閤記」
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