...軈(やが)て、埃に染みた、黒の詰襟の洋服を着た校長の安藤が出て来て、健と代つて新入生を取扱かつた...
石川啄木 「足跡」
...先づ初めに東都の街塵に染みぬ...
石川啄木 「閑天地」
...垢染みた浴衣の扮装(いでたち)も...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...段々顔馴染みの人が出来てきて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「妖影」
...どこか鈍重とも評したいほど田舎染みて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...子供染みた我儘さが顔にさし...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一々馴染みの客に断って往くわけのものでもない...
近松秋江 「狂乱」
...二人には馴染みの深い室である...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...月の光に照らされて立つて夢みる裸身のもの丈長髪も金に染み蒼ざめ重き波をなすこれぞ御存じアリアドネ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...闇(やみ)だけれども蒼い葉の色が二人の着物の織目に染み込むほどに宗助を寒がらせた...
夏目漱石 「門」
...一緒に死ぬばかりだ」呵々(から/\)と氣違ひ染みた笑ひを突走らせるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...氣違ひ染みた心持になりましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深く染み込めて容易に矯(た)め直しの出来ぬものなり...
福沢諭吉 「家庭習慣の教えを論ず」
...それと同時にあなたに対しては気違染みた嫉妬をしていたのです...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「最終の午後」
...T「じゃわっしは馴染みの町与力に頼んでお上の手で大吉の野郎を……」と言えば典六「お頼み申す」お光は独り不安な顔...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...染みつきそうな黴の強い臭いの襲って来る中を三二歩四人が中へ這入り込んだ...
横光利一 「旅愁」
...むしろ清浄な山川の匂いが強く肌に染み入り...
横光利一 「旅愁」
...ニューイングランドを貫いているボストン=ケンブリッジ地下鉄のお馴染みの駅名だったが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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