...少しばかりある株券と地所(じしょ)とは愛子と貞世(さだよ)との教育費にあてる名儀で某々が保管する事になった...
有島武郎 「或る女」
...どうかすると彼の書く論文の中には、某々青年、某々大学生の意見がそのまま出て来るようなこともあった...
相馬泰三 「六月」
...財政整理の必要に迫られて居ると知られた某々の有力者は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...又は偶然時事的に問題化した某々科学に中心を置いたり...
戸坂潤 「科学論」
...千人針は迷信だから宜しく某々神社のお札に代えよ...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...一味が「某々方面」や五・一五事件に関係ある海軍士官に...
戸坂潤 「社会時評」
...某々国の領事国でひそかに国籍を売っていたことがありますが...
豊島与志雄 「自由人」
...某々の作品は事実かと作者に尋ねるが如きものである...
豊島与志雄 「小説の内容論」
...――某々の事業……某々の事蹟……某々の著述...
豊島与志雄 「ナポレオンの遺書」
...○例の往復葉書にて近頃余がもとに届きたる或会合の通知状に某々伯爵も御出席の由につき奮って御来臨被下度云々と記したるものあり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...小賢(こざか)しくも垣を囲(めぐ)らし棒杭(ぼうぐい)を立てて某々所有地などと劃(かく)し限るのはあたかもかの蒼天(そうてん)に縄張(なわばり)して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...すぐに俺(おれ)はまだ某々(たれたれ)ほどに堕落(だらく)せぬとか...
新渡戸稲造 「自警録」
...急に留學生の某々君を誘つて...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...某々洋食店の建築は法隆寺の建築よりもすぐれてゐる!これ等の論理には矛盾がない...
平林初之輔 「政治的価値と芸術的価値」
...往年東牟婁郡の某々の村を通り...
南方熊楠 「十二支考」
...あの某々が特に接触のある某々だからと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たしか某々のハダカ・レヴュに出ていると誰かが言つてたなあ」と言葉をはさんだのです...
三好十郎 「肌の匂い」
...現に某々会社の重役になっている...
森鴎外 「渋江抽斎」
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