...金甌無欠(きんおうむけつ)の国家の為に某々を殺したと言つてゐるではないか? しかし自由とは我我の行為に何の拘束もないことであり...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...某々がたいへんよい所へ片づいて非常に仕合せがよいというような噂(うわさ)は長くは続かぬ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...或る時一緒に散策して某々知人を番町に尋ねた帰るさに靖国神社近くで夕景となったから...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...某々の思考や思想はどういう特色を有っているかとかいう観察風の省察が目的ではなくて...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...某々婦人達は、現在の女子教育が徒らに偏知教育に流れて立派に飯がたけて満足に着物が縫える女が少ないことは、国防上実に遺憾であるとして「婦人技能指導協会」を設立し、これを特に農村工場の子女の指導教育の機関としようとしている...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...単に某々の個人がこの紙上を藉りて個人的に噂を伝えたり説をなしたりしているとしか受け取れまい...
戸坂潤 「思想としての文学」
...昨晩の興行で某々の作品が得た収入額に耳を傾けだした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...某々の悪口を言う種に使った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...或いは某々の藩を代表する家老格の程度であるかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...小賢(こざか)しくも垣を囲(めぐ)らし棒杭(ぼうぐい)を立てて某々所有地などと劃(かく)し限るのはあたかもかの蒼天(そうてん)に縄張(なわばり)して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...某々洋食店は石造建築である...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...明治三十三年二月紀元節慶応義塾社中某々誌(しるす)凡(およ)そ日本国に生々(せいせい)する臣民は...
慶応義塾 「修身要領」
...足下(そくか)は近来某々(それそれ)の家などに毎度出入して...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...某々文化人の政治家は古来の門松は不用だと叫びながら...
正岡容 「寄席風流」
...いまの某々君などはその頃三遊派の前座で...
正岡容 「寄席風流」
...仏経の竜は某々の蛇にほかならぬからだ...
南方熊楠 「十二支考」
...往年東牟婁郡の某々の村を通り...
南方熊楠 「十二支考」
...次に某々孩子(ぼうぼうがいし)と二行に刻してあるのは...
森鴎外 「渋江抽斎」
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