...假に某々情話の作者をその師とする者があるとすれば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...某々がたいへんよい所へ片づいて非常に仕合せがよいというような噂(うわさ)は長くは続かぬ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...在留日本人の某々等は寄って集(たか)って帰朝を勧告した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...四月五日在留日本人の某々らに送られて心淋しくも露都を出発し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...或る時一緒に散策して某々知人を番町に尋ねた帰るさに靖国神社近くで夕景となったから...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...二機は某々新聞社の誘導機だ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...いずれも晩春初夏にわたるものでありまして、甲を春とし乙を夏とすることはあまり片寄りすぎた定めのように思われますが、しかしその花の性質からして、淋(さび)しい紫や白の房の長く垂れている藤の花の趣は春季の感じ、濃艶(のうえん)な花弁を豁然(かつぜん)と開いている牡丹の花の趣は夏季の感じとこうおのずから区分されるのでありまして、必ずしも某々二、三俳人が合議の上で無理にこう定めたものでなく、自然の感じがおのずからこの分類を作るのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...例えば明日中某々地方に降雨あるべしというがごとし...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...千人針は迷信だから宜しく某々神社のお札に代えよ...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...某々の思考や思想はどういう特色を有っているかとかいう観察風の省察が目的ではなくて...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...某々婦人達は、現在の女子教育が徒らに偏知教育に流れて立派に飯がたけて満足に着物が縫える女が少ないことは、国防上実に遺憾であるとして「婦人技能指導協会」を設立し、これを特に農村工場の子女の指導教育の機関としようとしている...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...某々の悪口を言う種に使った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...某々の将軍は実際えらいには違いないが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...急に留學生の某々君を誘つて...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...某々四五人のものは...
平出修 「逆徒」
...某々洋食店は石造建築である...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...某々文化人の政治家は古来の門松は不用だと叫びながら...
正岡容 「寄席風流」
...いまの某々君などはその頃三遊派の前座で...
正岡容 「寄席風流」
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