...自分は從來デイヤレクテイツシユの考へ方をするといふ廉を以つて度々某々の非難を受けた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...某々がたいへんよい所へ片づいて非常に仕合せがよいというような噂(うわさ)は長くは続かぬ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...在留日本人の某々等は寄って集(たか)って帰朝を勧告した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...いずれも晩春初夏にわたるものでありまして、甲を春とし乙を夏とすることはあまり片寄りすぎた定めのように思われますが、しかしその花の性質からして、淋(さび)しい紫や白の房の長く垂れている藤の花の趣は春季の感じ、濃艶(のうえん)な花弁を豁然(かつぜん)と開いている牡丹の花の趣は夏季の感じとこうおのずから区分されるのでありまして、必ずしも某々二、三俳人が合議の上で無理にこう定めたものでなく、自然の感じがおのずからこの分類を作るのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...某々婦人達は、現在の女子教育が徒らに偏知教育に流れて立派に飯がたけて満足に着物が縫える女が少ないことは、国防上実に遺憾であるとして「婦人技能指導協会」を設立し、これを特に農村工場の子女の指導教育の機関としようとしている...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...偶々その上に起こった某々事件の罪悪や効用を論じたり...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...後に研究会関係以外の事件に坐して検挙された某々会員が...
戸坂潤 「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」
...必要に応じて某々の人を応接室に呼んだりした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ある個人の特性を本(もと)として成り立った某々主義をもってする代りに...
夏目漱石 「創作家の態度」
...すぐに俺(おれ)はまだ某々(たれたれ)ほどに堕落(だらく)せぬとか...
新渡戸稲造 「自警録」
...急に留學生の某々君を誘つて...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...かうした貧寒困窮の生活の中で尚且私は左の荷風先生模倣の身辺小記などを某々誌へと発表してゐた...
正岡容 「滝野川貧寒」
...私は某々君と共に我々の名を染めだした暖簾を寄進したりしたものだつたが...
正岡容 「東京万花鏡」
...九年のころ現三笑亭可楽君(八代目)は某々紙上において自らの落語速記を...
正岡容 「我が圓朝研究」
...仏経の竜は某々の蛇にほかならぬからだ...
南方熊楠 「十二支考」
...ソラ国費を以て某々の社を廓大しようとか大騒ぎに及ぶは既に手後れの至りで...
南方熊楠 「十二支考」
...たしか某々のハダカ・レヴュに出ていると誰かが言つてたなあ」と言葉をはさんだのです...
三好十郎 「肌の匂い」
...それから他に某々青年一二名位ゐのものである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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