...某君の作品も読んだことはない...
芥川龍之介 「島木赤彦氏」
...理想的の思想家は新聞記者と――某男爵のやうな實業家でなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...某新聞にて読んだことを記憶している...
井上円了 「おばけの正体」
...終(しま)ひには人殺しまでやつた重罪犯の某(なにがし)がいつた言葉ださうだが...
薄田泣菫 「茶話」
...大町桂月(けいげつ)、福本日南等と交友あり、桂月を罵(ののし)って、仙をてらう、と云いつつ、おのれも某伯、某男、某子等の知遇を受け、熱烈な皇室中心主義者、いっこくな官吏、孤高狷介(けんかい)、読書、追及、倦(う)まざる史家、癇癪持(かんしゃくもち)の父親として一生を終りました...
太宰治 「虚構の春」
...芝区の某町に質屋があって...
田中貢太郎 「藍微塵の衣服」
...又某日のこと、兼五郎は隣家の下駄屋から鍬(くわ)を借りて来て、使用した後で縁先へ立てかけて置くと、間もなく下駄屋の主人が取りに来たので、返そうと思って縁先へ往ってみると、置いたばかりの鍬がもうなかった...
田中貢太郎 「唖の妖女」
...彼は某日(あるひ)水を飲むために谷川の岸に出た...
田中貢太郎 「仙術修業」
...シガー一本をできるだけゆっくり時間をかけて吸うという競技で優勝の栄冠を獲たのはドイツ人何某であった...
寺田寅彦 「記録狂時代」
...特に真理某でなければならないのではない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...某の指図をお待ち願いたい」「では...
直木三十五 「南国太平記」
...鉄砲洲某稿」としてある...
中里介山 「大菩薩峠」
...有志の士君子「某(それがし)が政府に出ずれば...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...相州箱根宮城野村なる勝俣某の邸内にあるもので...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...某氏はしかし私に対しては極めて冷淡であり...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...徳川家康が嘗て僧某のこれを引いたのを聞いて林羅山に質(たゞ)した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...後(のち)山田は明治十四年に優等を以て卒業して、一時義塾の教員となり、既にして伊東氏を冒し、衆議院議員に選ばれ、今は某銀行、某会社の重役をしている...
森鴎外 「渋江抽斎」
...主の竹内某がそれを聞いて...
吉川英治 「折々の記」
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