...つまり誰某(たれそれ)は誰某に靠(よ)って伝えられるのであるから...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...某(それがし)如きが及ぶ処ならず...
巌谷小波 「こがね丸」
...署長は長吉とトランクの紳士(宿帳の名前は松永某(まつながぼう)となっておりました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...その頃某(なにがし)という鶉の好きな王があって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...某年某月某日某所で行なわれた某の銅像除幕式を他のある日ある場所で行なわれた他の除幕式と明白に弁別しようとするときに最も著しき目標となるものは何であるかというと...
寺田寅彦 「ニュース映画と新聞記事」
...其小野某と云う者の家に...
徳田秋声 「躯」
...処で之が大阪某連隊某一等兵の入営前からの願望だったと仮定しよう...
戸坂潤 「社会時評」
...午後神楽阪貸席某亭に開かれたる南岳追悼発句会に赴く...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...曽て漢詩の大家何某先生白玉楼中(はくぎょくろうちゅう)の人となるや葬礼に際して俄に文学博士の学位を授られたる事あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...小賢(こざか)しくも垣を囲(めぐ)らし棒杭(ぼうぐい)を立てて某々所有地などと劃(かく)し限るのはあたかもかの蒼天(そうてん)に縄張(なわばり)して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...後には長く紅葉館の支配人をしていた某氏と...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...弁護士岡崎某の妻となり...
福田英子 「妾の半生涯」
...某学校で生徒の召募があると塾での評判取り取り...
二葉亭四迷 「浮雲」
...某人(それがし)は某人(それがし)のブラザーだと説くと...
南方熊楠 「十二支考」
...某島(それがししま)とやら承候而忘れ申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...親戚某が世話をして...
森鴎外 「細木香以」
...陸(くが)が十二月に本所松井町(まついちょう)三丁目四番地福島某の地所に新築した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...常陸(ひたち)の某公から初めて鋳鉄の大砲を譲り受けた...
山本周五郎 「失蝶記」
便利!手書き漢字入力検索