...三雪の降つた公園の枯芝(かれしば)は何よりも砂糖漬にそつくりである...
芥川龍之介 「都会で」
...この風景を造っているものは実は庭の枯芝や池だったことを発見した...
芥川竜之介 「歯車」
...この風景を造つてゐるものは実は庭の枯芝や池だつたことを発見した...
芥川龍之介 「歯車」
...枯芝一つも見せない路傍を...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...日だまりの枯芝の上に坐り...
梅崎春生 「狂い凧」
...日溜りの枯芝の上へ...
薄田泣菫 「独楽園」
...枯芝の中にたった一つの菫が咲いているのです...
土田耕平 「峠」
...街燈に薄光るあの枯芝生の斜面に身を委せよう...
富永太郎 「秋の悲歎」
...枯芝の野が広がっている...
豊島与志雄 「二つの途」
...土手に近づいた時鴉は最後の力を振はんとして羽を動かしたが其體は枯芝の中にどさりと大きな響を立てた...
長塚節 「教師」
...老木の下の枯芝には火が二坪ばかり燃え廣がつて居る...
長塚節 「才丸行き」
...松葉や枯芝である...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...枯芝の上を塀近くまで轉げ落ちて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中年の猫背の紳士が時雨に濡れて枯芝のなかを散歩してゐる――冷え冷えする絵だ...
原民喜 「温度」
...枯芝の傾斜面に残る雪や...
原民喜 「風景」
...波が高まるようになだらかに盛りあがっている黄色い枯芝の丘の上に...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...一面に枯芝を纏うたほのかな起伏が...
水野仙子 「犬の威嚴」
......
三好達治 「寒林小唱」
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