...をぢは遠きところに往くとき、又急ぐことあるときは、枯れたる足を、驢の兩脇にひたと押し付け、おのが身と驢と一つ體になりたるやうにし、例の木履のかはりに走らするが常なれば、けふもかく騎(の)りて來しなるべし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それで山牛蒡の枯れたのや...
石川欣一 「可愛い山」
...その中に枯れた白樺の林が...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...十五歳にして七十歳の老大家のような枯れた絵をかいたら...
上村松園 「旧作」
...白く枯れた萱の葉の音が一しきりさびしく響き渡りました...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...粟田御所の大樟(くす)にも枝の枯れた處が見えてゐる...
永井荷風 「十年振」
...又うら枯れた枝を...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...時期が來れば枯れたでもあらう...
野上豐一郎 「桂離宮」
...ひょいとすぐ目の前の枯れた灌木(かんぼく)の根もとへ目をやると...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...すつかり枯れたまま...
堀辰雄 「初秋の淺間」
...薄暗いうら枯れた籠居の愚かな夢を払はうと努めてゐるのだが...
牧野信一 「武者窓日記」
...「雪、びっくりいたしたか?」平馬は、皺枯れた、毒々しい調子を浴びせて来た...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...実がはじけてついている草の枯れたのが...
水野葉舟 「月見草」
...枯れた草の中から竜胆(りんどう)が悠長に出て咲いているのが寒そうであることなども皆このごろの景色(けしき)として珍しくはないのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...津軽などではあの枯れた茎の中に住む虫を取って...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...枯れた草原のすぐ向うに...
山本周五郎 「おれの女房」
...上へ上へと枯れた雑木林が重なり...
山本周五郎 「風流太平記」
...冬枯れた梢の上を流れる断雲に眼を転じたとき...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索