...彼はそれは岸によこたわっていた枯れた木がいつか池のなかに吹きこまれて...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...まだ枯れたままになっている去年の草に暖かに陽炎が立つ...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...――銭一銭米一合残っているだけだ!ひなたまぶしく飯ばかりの飯をまぶしくしらみとりつくせない老木倒れたるままのひかげ街のある日のあるところハイヒールで葱ぶらさげて只今おかへり今日の太陽がまづ城のてつぺん道べり腰をおろして知らない顔ばかり旅のほこりをうちはらふ草のげつそり枯れた旅の旅路の何となくいそぐ十一月十四日 晴――曇...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...この世の中は死んで枯れたやうに思はれるぢやないか』かうある人は私に言つた...
田山録弥 「谷合の碧い空」
...立ち枯れた雑草の中に私は飛びこみ...
豊島与志雄 「紫の壜」
...虫にくわれた老樹の幹は年々うつろになって行きながら枯れたかと思う頃...
永井荷風 「砂糖」
...公の清らかに老い枯れた姿と...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...枯れたように見える厳冬だ...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...行手の霜枯れた畑の彼方には斑らな雪を戴いた山々が...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...枯れた実は依然として立っている...
牧野富太郎 「カキツバタ一家言」
...墓の前の花筒には白百合の枯れたのが挿(さ)してある...
正岡子規 「墨汁一滴」
...冬枯れた戸外を見晴す広縁に漂った...
宮本百合子 「或る日」
...君なくて塵(ちり)積もりぬる床なつの露うち払ひいく夜寝(い)ぬらんここにはいつか庭から折らせて源氏が宮様へ贈ったのと同じ時の物らしい撫子(なでしこ)の花の枯れたのがはさまれていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...隅が枯れた梔子(くちなし)の花びらのような色になり捲くれている...
山川方夫 「演技の果て」
...枯れた芦荻(ろてき)や裸になった苅田には...
山本周五郎 「風流太平記」
...冬枯れた梢の上を流れる断雲に眼を転じたとき...
横光利一 「旅愁」
...枯れた蓬(よもぎ)の細茎(ほそぐき)を風の吹くよな三味線(しやみせん)に曲弾(きよくびき)の音(ね)のはらはらと螽斯(ばつた)の雨が降りかかる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...落葉樹ならばたゞ明るく靜けく枯れた樣に立つてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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