...」果せる哉(かな)...
泉鏡花 「婦系図」
...果せるかな、それは意外にも早くやって来たのだ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...果せるかな私の見込み通りで「この向う角のコーヒー店の如きも昨年から店をしめて居ますが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...果せるかな家内のものは皆新宅へ荷物を方付に行って伽藍堂(がらんどう)の中(うち)に残るは我輩とペンばかりである...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...果せる哉(かな)...
太宰治 「新釈諸国噺」
...果せるかな、使は包みを一つ取り出して、それをおれに渡すのである...
オシップ・ディモフ Ossip Dymoff 森鴎外訳 「襟」
...家へ帰って戸棚を引っくり返して取りだして見ると果せるかなその本なのである...
戸坂潤 「読書法」
...この役目を果せるのは...
外村繁 「日を愛しむ」
...果せるかなこの小冊子発売禁止となりしのみか...
永井荷風 「書かでもの記」
...果せる哉(かな)でございました...
中里介山 「大菩薩峠」
...果せるかなどんよりとして北国の冬空のように曇っていた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...おれは敗亡して、結構、ではやってみるがよかろうといって放りっぱなしておくと、果せるかな、叩きつけそこなって鮭をばらまく、そいつを大汗で掻き集めて罐へおしこむ、それをまたばらまくというえらい騒ぎになった...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...よろけるように入って来たのは果せるかな件の怪人物と古市加十の両人...
久生十蘭 「魔都」
...果せるかな小助六の名は...
正岡容 「寄席」
...作家たちが果し得ない仕事が果せるのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...芸妓(げいぎ)連中が心も空にサービスをやっているうちに果せる哉(かな)始まった...
夢野久作 「近世快人伝」
...その事に就いて取あえず報告したもんだからね……すると果せる哉(かな)だ...
夢野久作 「二重心臓」
...上の娘をやった二人の婿さんたちに、わしは持参金をつけてやらなかったが、果せるかな、あの二人はわしを恨みに思って、いつかな細君をわしのところへよこしたがらない...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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