...林右衛門は、家老と云っても、実は本家の板倉式部(いたくらしきぶ)から、附人(つけびと)として来ているので、修理も彼には、日頃から一目(いちもく)置いていた...
芥川龍之介 「忠義」
...「信濃の国は 夏の王国落葉松(からまつ)の 林を行けばふりそそぐ 緑の雨」こんなもの覚えていますか――と慎太郎さんに聞かれてびっくりしたのは先日の話...
石川欣一 「可愛い山」
...小林君は、古道具屋の店にしのびこむときに、まんいち発見されたら、どうなるかということを考え、四十面相にしばられ、部屋にとじこめられたばあいのために、ちゃんと、こういう用意をしておいたのです...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...小林少年は、そんなばかなことが起こるはずがないと思いました...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...雜木林(ざふきばやし)の中(なか)へ擔(かつ)ぎ込(こ)んで...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...径(こみち)は杉や檜(ひのき)の林の中へ入った...
田中貢太郎 「竈の中の顔」
...夫が小林の文学者らしいヒロイズムや煙草の煙と共に呼吸する世界征服感を意味する限り...
戸坂潤 「思想としての文学」
...もう何年か經つたら滿洲に森林がなくなつてしまう...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...ほとんど月の光をも漏らさぬ密林です...
中里介山 「大菩薩峠」
...下から上へは逆行(ぎゃっこう)しないよ」津田はほぼ小林の言葉を...
夏目漱石 「明暗」
...尾張の林金兵衛(はやしきんべえ)あるいは天狗党にはせ参じようとした河野広中(こうのひろなか)...
服部之総 「黒船来航」
...夜、林文三郎が来て、「何だか夢みたいだよ」と言ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...第百七十七回の中音音(おとね)が大茂林浜(おおもりはま)にて再生の段より代筆させて一字ごとに字を教へ一句ごとに仮名使(かなづかい)を誨(おしゆ)るに...
正岡子規 「墨汁一滴」
...虎は安南語を解し林中にあって人が己れの噂するを聞くという...
南方熊楠 「十二支考」
...これを概するに、荷を負う畜(けだもの)にもそれぞれ向々(むきむき)があって、馬は平原に宜(よろ)しく、象は藪林に適し、砂漠に駱駝、山岡に驢がもっともよく役に立つ...
南方熊楠 「十二支考」
...それまでのプロレタリア文学運動の指導方針の政治的偏向ということが一方的に云いたてられ小林多喜二の虐殺によっておじけづいた人々が心理的にそれにどんどんまきこまれて行った...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...大きく開いた若林博士の口腔の恰好に似て来たように思いつつ……そのまん中に突立って...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...林のおくの方へ入って行きましたのじゃ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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