...見(み)も知(し)らぬ一人(ひとり)の老人(ろうじん)が枕辺(まくらべ)に佇(た)って...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...濡れた枕紙が氷のごとく冷えて...
有島武郎 「星座」
...美耶子はレースの覆いのかかった羽根枕に満足そうな横顔をつけていた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...かくのごとく露宿している被害民の枕頭を蹴散らすに至っては...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...子供の枕もとで蚊を焼いて歩くやうになつちや...
薄田泣菫 「茶話」
...煖炉の前に褞袍(どてら)にくるまって肱枕(ひじまくら)で横になり...
近松秋江 「黒髪」
...枕(まくら)もとには...
土田耕平 「天童」
...手に空気枕を持っていた...
豊島与志雄 「反抗」
...膝にのせた括枕(くくりまくら)によりかかって...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...半身を起き直るやうに枕の上に乘り出したのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...富岡はまじまじとその大きい枕に眼をとめてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...夫の枕もとで手をついた...
本庄陸男 「石狩川」
...小い阿弥陀様が犬の枕上に立たれて...
正岡子規 「犬」
...奇妙な恰好に結んだのを白いタオルで包んだ枕の上に蓬々(ぼうぼう)と乱していた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ついにはあまりの涙に枕もあがらぬ病(やまい)の床に臥(ふ)してしまった...
吉川英治 「黒田如水」
...ならば散り甲斐のある場所で枕をならべよう」繰り返すように信長はいったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...……いたい」秀吉は大げさに腹痛を訴えながら、まごまごしている同朋衆へむかい、「枕、枕」と、よび、それから、「薬をくれい」と、すぐ横になってしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...蝋燭もとぼさずに枕もとへ寄って来ました...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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蝕まれた 厭倦 惚れて通えば千里も一里
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