...然し事實は如何とも枉(ま)げがたい...
石川啄木 「大硯君足下」
...総てを自己の理想の表現のために枉(ま)げておる有様である...
石原莞爾 「戦争史大観」
...踏みにじられてその枉屈(おうくつ)を述べることもできないで泣いていた廷章は激怒した...
田中貢太郎 「竇氏」
...自然の方則は人間の力では枉(ま)げられない...
寺田寅彦 「津浪と人間」
...然れどもアカイア軍勢意を枉げて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いかなればかく枉(まが)れる世ぞ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...大隈伯の屡々失敗して飽くまで其の自信を枉げざるは猶ほ献身的宗教家の如し故に伊藤侯は得意の日に驕色あり大隈伯は得失を以て喜憂せず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...道を枉(ま)げてたずねてみたものと思われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...枉(ま)げてこの儀をお願い致す」「ご挨拶恐縮に存じます...
中里介山 「大菩薩峠」
...この一行は道を枉(ま)げて...
中里介山 「大菩薩峠」
...枉(ま)げて拝見の許されねえという掟(おきて)はあるめえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...道に枉げられたとかいう...
中里介山 「大菩薩峠」
...一つには胆吹へ道を枉(ま)げた道庵先生を待合せのためであったのですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...が、それとても、大元帥明王の画像の前に立つお銀様と同様の、色盲ならぬ色盲をもって、木石の配置だけを深く見入っているような恰好(かっこう)をしているけれども、内容極めて空疎なるは致し方なく、お茶を知らない、寂(さび)を知らない、わびというものを知らないお角さんは、ただ眼の前にあるからそれを見ているだけで所在が無いから、ことにお場所柄であるから、枉(ま)げて、つつましやかにしているだけのものなのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...これからがいよいよ佳境に入(い)るところですから」「それじゃ聞くから、早く日が暮れた事にしたらよかろう」「では、少しご無理なご注文ですが、先生の事ですから、枉(ま)げて、ここは日が暮れた事に致しましょう」「それは好都合だ」と独仙君が澄まして述べられたので一同は思わずどっと噴き出した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...蓋し寃枉の最も甚しきものならむ...
原勝郎 「貢院の春」
...財産のために我が抱負(ほうふ)理想を枉(ま)ぐべきに非(あら)ずとて...
福田英子 「妾の半生涯」
...心ニ思ハヌ事ヲモ枉(ま)ゲテ行ハネバナラヌナドト...
穂積陳重 「法窓夜話」
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