...今でも私はこの立場をいささかも枉(ま)げているものではない...
有島武郎 「想片」
...人気(じんき)の前(まへ)に枉屈(わうくつ)して其奴隷(どれい)となるは少(すこ)しも珍(めづ)らしからず...
三文字屋金平 「為文学者経」
...王は曾が平生爵位を売り、名を鬻(ひさ)ぎ、法を枉(ま)げ、権勢を以て人の財産を奪いなどして得た所の金銭は幾何(いくばく)であるかということを詮議さした...
田中貢太郎 「続黄梁」
...踏みにじられてその枉屈(おうくつ)を述べることもできないで泣いていた廷章は激怒した...
田中貢太郎 「竇氏」
...本員等又政府に對する質問は暫く枉げて中止することゝし...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...サラバ少(すこし)く道を枉(まげ)ても当路へ出...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
......
永井荷風 「雨瀟瀟」
...わざわざ道を枉(ま)げて尋ねて来てくれたことにも...
中里介山 「大菩薩峠」
...が、それとても、大元帥明王の画像の前に立つお銀様と同様の、色盲ならぬ色盲をもって、木石の配置だけを深く見入っているような恰好(かっこう)をしているけれども、内容極めて空疎なるは致し方なく、お茶を知らない、寂(さび)を知らない、わびというものを知らないお角さんは、ただ眼の前にあるからそれを見ているだけで所在が無いから、ことにお場所柄であるから、枉(ま)げて、つつましやかにしているだけのものなのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...根本的に己を枉(ま)げて始て存在し得る場合には...
夏目漱石 「道楽と職業」
...敢然(かんぜん)としてその正しさを枉(ま)げない...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...党の規律は私事をもって枉(ま)ぐべからず...
平林初之輔 「鉄の規律」
...一方に本心を枉(ま)げて他の一方にこれを伸ばすの道理あらざればなり...
福沢諭吉 「日本男子論」
...財産のために我が抱負(ほうふ)理想を枉(ま)ぐべきに非(あら)ずとて...
福田英子 「妾の半生涯」
...枉(ま)げて御受領賜わりまするよう伏願致します...
夢野久作 「暗黒公使」
...諸卿お揃いで駕(が)を枉(ま)げてくれませんか」「ぜひ伺って...
吉川英治 「三国志」
...枉(ま)げてもご出席あらるるようにとのお伝えでござる...
吉川英治 「親鸞」
...どうか枉(ま)げてもお綱のお手当は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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