...其処は家の前に蜜柑や枇杷を植えてあった...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...すこしはなれてマブの花・地べたべつとりと浜朝顔の強い風・やけあと何やら咲いてゐる・わがまゝきまゝな旅の雨にはぬれてゆく・松のなか墓もありて・つかれた顔を汐風にならべて曲馬団の女らやたらにとりちらかしてお祭の雨となつた雨となつた枇杷の実の青い汐風・山しづかにしてあそぶをんなつたうてきては電線の雨しづくしては警察署の木の実のうれてくる五月十六日まだ降つてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...枇杷の実がつぶらに色づいてきた...
種田山頭火 「行乞記」
...八百屋の店頭に苺や枇杷がならべられて...
種田山頭火 「其中日記」
...あの娘共(むすめども)が内密(ないしょ)で笑(わら)ふ此(この)枇杷(びは)のやうならば...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...同じく昔の郷里の夏の情趣と結びついている思い出の売り声の中でも枇杷葉湯(びわようとう)売りのそれなどは...
寺田寅彦 「物売りの声」
...枇杷バナナの暖かい黄...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...桜ン坊と枇杷とベビーの靴下編みだ...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...襖の紙の枇杷色をじっと眺めていた...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...大小に羽織袴の侍も小紋の夏羽織の町人も本家枇杷葉湯(びわようとう)の荷箱また団扇(うちわ)の荷を担(かつ)ぐ物売の商人も...
永井荷風 「江戸芸術論」
...枇杷の実が次第に色付いて...
永井荷風 「花より雨に」
...枇杷の芽は梅よりも伸びるのが早く...
永井荷風 「枇杷の花」
...色もなき枇杷の花の咲くのを眺め...
永井荷風 「枇杷の花」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
......
長塚節 「長塚節歌集 下」
...「冬の蠅」にかゝれし枇杷の木のほか...
正岡容 「山の手歳事記」
...雕工(ちょうこう)に聞くに山茶と枇杷(びわ)の木の槌で身を打てば...
南方熊楠 「十二支考」
...茶の花の方がいくらか枇杷よりか優しくあでやかだ...
室生犀星 「冬の庭」
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