...枇杷(びわ)の木の下を北へ...
芥川龍之介 「偸盗」
...枇杷(びわ)、桃、柿(かき)などを張り子で拵え、それに実物そっくりの彩色(さいしき)をしたものでちょっと盛り籠に入れて置き物などにもなる...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...・さんざふる夜の蠅でつるみます・たゞ一本の寒菊はみほとけに・山茶花さいてお留守の水をもらうてもどる・誰かきさうな空からこぼれる枇杷の花・しぐれたりてりだしたりこゝそこ茶の花ちつて・冬蠅とゐて水もとぼしいくらし改作二句この柿の木が庵らしくするあるじとしてこゝにかうしてみほとけのかげわたしのかげ(晩課諷経)十一月廿六日徹夜...
種田山頭火 「其中日記」
...│ │└味取観音 └イクリ□枯れた枇杷の木(其中庵)...
種田山頭火 「其中日記」
...呪はれた枇杷の木...
種田山頭火 「其中日記」
...オルガンがうたふ枇杷のうつくしさ彼女は笑はない・あれから一年の草がしげるばかり六月二十四日降る...
種田山頭火 「其中日記」
...しかしその枇杷葉湯(びわようとう)がいったいどんなものだか...
寺田寅彦 「物売りの声」
...枇杷葉湯の価値も知っている...
直木三十五 「大阪を歩く」
...枇杷の実は熟しきつて地に落ちて腐つた...
永井荷風 「花より雨に」
...又残りの一本は枇杷であることが...
永井荷風 「枇杷の花」
...わたくしは枇杷の花を見ると共に...
永井荷風 「枇杷の花」
...そんなことは、道庵に聞かねえたって、もっと安直に聞けるところがありそうなものだが、聞かれて知らねえというのも業腹だから、後学のため教えてつかわそう、そもそも三ぴんというのは……」この時、道庵は手に持っていた青竹を橋の欄干のところへ静かに置き、懐中へ手を入れたと見ると、例の畳んだ奉書を取り出して物々しくおしいただき、それを繰りひろげて高らかに読み出しました――「そうれ、ツラツラおもんみるに、三一(さんぴん)とは三と一といふことなり、三は三なれども一はまたピンともいふ、ここに於て三両一人扶持(ぶち)をいただくやからをすべて三ピンとは申すなり、まつた、折助といふは、柳原河岸その他に於て、これらの連中が夜鷹の類を買ひて楽しむ時、玉代として銭の緡(さし)を半分に折りて差出すを習ひとするが故に、折助とは申すなり、それ中ごろの折助に二組の折助あり、一つを山の手組といひ、一つを田圃組(たんぼぐみ)といふ、その他にも折助は数々あれども、この二つの折助の最も勢力ある山の手組の背(うし)ろには、百万石の加賀様あり、田圃組の背ろには鍋島様が控へてゐる故とぞ申す、もとより御安直なる折助のことなれば、天下国家に望みをかける大望はなけれども、これら大名達の威光を肩に着て諸大名屋敷の味噌すり用人と結託し、人入れ稼業を一手に占めんとする企みのほど、恐るべしとも怖るべし、帰命頂礼(きみようちようらい)、穴賢(あなかしこ)」道庵が、枇杷島橋の上で、天も響けとこういって読み上げた勧進帳もどきを聞いて、「こいつが、こいつが」金十郎がいきり立つと、安直がしゃしゃり出て、「あんたはん、三ぴんや言いなはるが、三両だかて大金やさかい、一人扶持かて一年に均(なら)してみやはりまっせ、一石八斗二升五合になりまんがな、今時、諸式が上りはって、京大阪で上白(じょうはく)一桝(ひとます)が一貫と二十四文しますさかい、お金に換えたら十八両六貫三百六十八文になりまんがな、それにお給金三両足しますとな、たっぷり二十両がとこありまんがな、大金じゃがな、そないに三ぴん三ぴん言うとくれやすな、チャア」これを聞いて道庵が、さては、こいつ、阪者(さかもの)の出来損ないであったか、なるほどみみっちい! と感心していると、前面からのしかかった紺看板が、「ファッショ」「ファッショ」ファッショ、ファッショで道庵を揉(も)みくちゃにしようと試みる...
中里介山 「大菩薩峠」
...總體薄枇杷色(うすびわいろ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
前田普羅 「普羅句集」
...同じ部に枇杷(びわ)の木に夏の日永き田舎かな太虚(たいきょ)とある...
正岡子規 「病牀六尺」
...柳の下蔭には飴湯や枇杷葉湯...
山本笑月 「明治世相百話」
...枇杷の葉ほどの小硯に...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...枇杷(びわ)大納言どののおられた由緒(ゆいしょ)ある寺...
吉川英治 「親鸞」
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