...すたすた板子(いたご)を引きずって来た...
芥川龍之介 「海のほとり」
...毎日毎日板子一枚の下は地獄のような境界に身を放(な)げ出して...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...板子に頭をぶち附けながら唸(うな)っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...またある人々は手当たりしだいに板子をつかんで漂流した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は板子を渡って尾道行きの船へ乗った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...板子(いたご)一枚下は地獄(じごく)である...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...板子をひっかぶってしのいでいたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...板子といっしょに朽ちさせるより...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...たった一人だけを支えることの出来る板子に取縋(とりすが)って...
穂積陳重 「法窓夜話」
...潮来(いたこ)町(昔は潮来(いたこ)を板子(いたこ)と書いた)は常陸行方(なめかた)郡の水郷で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...同時に灰色の煙がムックリと小舟の全体を引っ包んだ中から、友吉おやじの手か、足か、顔か、それとも舷(ふなべり)か、板子か、何だかわからない黒いものが八方に飛び散ってポチャンポチャンと海へ落ちた...
夢野久作 「爆弾太平記」
...そして彼等の船の板子から先きの方は...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...板子一枚助けてみたところで...
吉川英治 「江戸三国志」
...つぶやきながら板子の焚きつけを持って綺麗な火の子をほじり立てる...
吉川英治 「江戸三国志」
...小船の板子(いたご)をしいた死の座(ざ)へ伊那丸(いなまる)をひかえさせた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...かねてから三衣袋に潜(ひそ)ませておいた黒奉書(くろぼうしょ)の袷(あわせ)一枚、風をはらませてフワリと身にまとい、目立たぬ色の膝行袴(たっつけ)をりりしくうがち、船底の板子を二、三枚はねのけた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...板子の下にまでかくれていた...
吉川英治 「松のや露八」
...板子へ縛りつけた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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