...一室二尺四方ばかりの俗にシャモ箱という小さな板囲いの中には...
大杉栄 「獄中記」
...そして陣屋の一番外側には篠垣(しのがき)を繞(めぐ)らし、五間十間ぐらいの距離に本篝(ほんかゞ)りを焚(た)き、その垣の内側に、望楼、見せ櫓(やぐら)等をところ/″\に設け、板囲いの仮小屋、―――今で云えば急造のバラックのような営舎を幾棟も建てゝ、そこに大将以下の士卒が寝泊りをしていた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そして板囲いのなかをあっちこっち歩いて見たり...
徳田秋声 「黴」
...地下室の古板囲いがある...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...ルイ十六世の時の海軍の天文学者であるメシエが観象台に使った板囲いの小屋が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...板囲いについて真直ぐにおいでなさいまし...
中里介山 「大菩薩峠」
...別の方面の板囲いの透間を押分けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...板囲いの間からズブリと出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...真先に板囲いの中から跳(おど)り出して斬ってかかったのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...高さ六尺ほどの堅牢な板囲いが円形に取り繞らされ...
野上豊一郎 「闘牛」
...馬は左の腹を板囲いにくっつけ...
野上豊一郎 「闘牛」
...平次の遺骸を板囲いの中(うち)から運び出し戸板に載せて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薪置小屋は屋根を差掛けた吹きぬけの板囲いである...
久生十蘭 「海豹島」
...ほの白く浮きだした板囲いの家の前で佇(たたず)んだ...
本庄陸男 「石狩川」
...「じゃあ、姐御、上首尾に――」「おお、土産(みやげ)はたんと忘れねえよ」ずんぐり男は、板囲い沿いに、黒いむく犬のように、どこへか、消える...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ダシヌケに私を押し除(の)けながら板囲いの外へ出ようとした...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...居室はほとんど板囲いに過ぎない...
吉川英治 「新書太閤記」
...「鱒の人工孵化をお目にかけましょうか」と板囲いの一棟へ私を案内した...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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