...その室のかべというのは新しい荒(あら)けずりの松板でヴァニスをかけただけですから...
ストリンドベルヒ August Strindberg 有島武郎訳 「真夏の夢」
...五寸角(かく)の土台数十丁一寸厚(あつ)みの松板(まついた)数十枚は時を移さず...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...五寸角の土臺數十丁一寸厚の松板幾十枚は時を移さず...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...さみどりの水はわが松板の船に浸み透りて...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...ビスケットを入れて満州に送る箱材料の松板は三...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...どんなに大きな慰めだったことか―― そのなきがらを松板の棺におさめ...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...仰臥(ぎょうが)してじっと天井を眺めてると松板の手のこんだ木目がいろいろな生きものの形になってみせる...
中勘助 「胆石」
...麁末(そまつ)な松板(まついた)で拵(こしら)へた出來合(できあひ)の棺桶(くわんをけ)はみり/\と鳴(な)つた...
長塚節 「土」
...天葢(てんがい)というても兩端(りやうたん)が蕨(わらび)のやうに捲(まか)れた狹(せま)い松板(まついた)を二枚(まい)十字(じ)に合(あは)せたまでのものに過(すぎ)ない簡單(かんたん)なものである...
長塚節 「土」
...錐でなくては松板を潜(くぐ)り抜けようと企(くわだ)てるものはない...
夏目漱石 「虞美人草」
...底がぬけかかったのを荒削りの松板を釘でぶっつけてある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...荒削りの松板に直(ぢか)に坐っている上にあっちこっちにぶっつけるもんだから頭じゅう瘤(こぶ)だらけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...滑らかに鉋(かんな)をかけた松板の壁...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...仮(かり)に松板を以て高さ二間許(ばか)りに五百間の外囲(そとがこい)をなすに...
福沢諭吉 「旧藩情」
...二人のための食卓であるあら削りの松板の上に新しいパンと砂糖いりのやき菓子を載せた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「漁師」
...材は松板を刳(く)ったものでありますが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...その代りにラムプにアカアカと照らされた自分の家(うち)の新しい松板天井が見えているのに気が付いた...
夢野久作 「斜坑」
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