...松影射しぬ……戸袋かけて床の間へ...
泉鏡花 「霰ふる」
...松影に揺れ動いて...
泉鏡花 「瓜の涙」
...をりよく雲なく気すみし夜なりしかば対岸の松影歴々として数ふべく...
上田敏 「月」
...垣越(かきごし)の松影(まつかげ)月を漏らさで墨の如く暗き邊(ほとり)に至りて...
高山樗牛 「瀧口入道」
...松影に潛める瀧口は愈耳を澄しぬ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...思ひ胸に迫りて、吁々(あゝ)と吐(は)く太息(といき)に覺えず我れに還(かへ)りて首(かうべ)を擧(あ)ぐれば日は半(なかば)西山(せいざん)に入りて、峰の松影色黒み、落葉(おちば)を誘(さそ)ふ谷の嵐、夕ぐれ寒く身に浸(し)みて、ばら/\と顏打つものは露か時雨(しぐれ)か...
高山樗牛 「瀧口入道」
...燒野に引ける垣越(かきごし)の松影長し...
高山樗牛 「瀧口入道」
...向うの松影から駆けてきた...
豊島与志雄 「月明」
...月の夜さりは磯馴松影新敷標木に落ちて...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
...三遊亭圓朝初期の作品たる「怪談牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)」「鏡ヶ池操松影(かがみがいけみさおのまつかげ)(江島屋騒動)」「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」並びに代表作「怪談乳房榎(かいだんちぶさえのき)」「文七元結(ぶんしちもっとい)」の諸篇を検討してみよう...
正岡容 「我が圓朝研究」
...「鏡ヶ池操松影」(江島屋騒動)「牡丹燈籠に次いで有名な怪談であります」と『圓朝全集』の編者鈴木行三氏は解説で述べておられる...
正岡容 「我が圓朝研究」
...松影が深く庭に落ち...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...想倚天橋松影碧」と云ふのがある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ですから一句の裡(うち)に松影婆娑(ばさ)たる須磨の浦を現わし...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...名を思い出すことも出来ません」「…………」この暗い松影の下なのに...
吉川英治 「新書太閤記」
...……おゆう」彼はそのとき路傍の松影に...
吉川英治 「新書太閤記」
...松影の白鳥はもう見えなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...松影町で松屋といっていた内外雑貨問屋がある...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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