...傍目も触らないで松原の松を見ていて...
泉鏡花 「浮舟」
...二日目の夕方私が夕御飯前に犬をからかひながら松原へあそびに出たるすにT先生がうちに来られて父としばらく話をしてそれから私をたづねて松原へ出てお出になりました...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...松原の松が飛び飛びになつて路の左側に砂山のある所がありますね月見草や昼顔が咲いてゐるさうですね...
田中貢太郎 「提燈」
...その松原からは利根川の広い流れが絵をひろげたように美しく見渡された...
田山花袋 「田舎教師」
...しんとした松原が明るく銀色に光つてゐるのをかれは目にした...
田山録弥 「波の音」
...この松原貴速という人は...
直木三十五 「死までを語る」
...線路を越した向の松原――時々この邊では一番物騷な噂のある松原まで行くのを待つてゐるのではなからうか...
永井荷風 「或夜」
...右の方へは三保の松原が海の中へ伸びている...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女は筑紫(つくし)の千代の松原近き寺院の娘に生れたが...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...角の松原辺りで眺めればどうであろう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...経俊 ここが仰る松原であるようお願いしたいものでございます...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...小松原宗雪と称する浪人と...
柳田国男 「雪国の春」
...よくその松原から浮き上るような面白い音がきこえるので...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...松原つづきとなり...
吉川英治 「新書太閤記」
...この小松原は、さっき一度通ったような気もするが、念のために、かれはなお水辺の草むらを覗(のぞ)きながら、水の行くままにあるいてみた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...五町十町と私はこの松原の蔭を歩くのが好きであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...僅かに手近の三保の松原が波の光の上に薄墨色に浮んで見える...
若山牧水 「樹木とその葉」
...大正十四年二月初旬沼津千本松原の蔭なる寓居にて著者...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??