...日本の戦国時代、直隷地方は松前氏の支配下にあった...
...平生(ひごろ)の癖の松前追分を口笛でやり乍ら...
石川啄木 「葬列」
...お役目にて松前の浦々を見廻(みまわ)り...
太宰治 「新釈諸国噺」
...忽ち風かはり恙なく松前の地に渡り給ひぬ...
太宰治 「津軽」
...このとき松前藩は防備手薄であつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...エトロフ島に上陸して松前會所を襲撃して日本人五名を捕へた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...松前以外で國書を受取つたことは確かに異例であるにちがひない...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...右の『松前引ケ』のものでもあろうかといわれた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...それは松前の風習として漁夫の妻たるものは多く城下その他へ魚を売りに来るが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...昔に変らぬ剰談(じょうだん)ばなしの中にそれとつかず泰平の世は既に過ぎ恐しい黒船は蝦夷(えぞ)松前(まつまえ)あたりを騒がしている折から...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...江戸で三井、鹿島、尾張屋、白木、大丸といったような、大阪で鴻池(こうのいけ)、炭屋、加島屋、平野屋、住友――京の下村、島田――出羽で本間、薩摩で港屋、周防(すおう)の磯部、伊勢の三井、小津、長谷川、名古屋の伊東、紀州の浜中、筑前の大賀、熊本の吉文字屋――北は津軽の吉尾、松前の安武より、南は平戸の増富らに至るまでの分限(ぶげん)を並べて、その頭のよいことに関守氏を敬服させた後、「それですから、ここに相当の金力の実力を持っている者がありとしますと、たとえば三井とか、鴻池とかいう財産のある大家の中に、先を見とおす人があって、これは東方が有望だ、いや西方が将来の天下を取るというようなことを、すっかり見とおして置いて、そのどちらかに金方(きんかた)をしますと、その助けを得た方が勝ちます、勝って後は、そのお金持がいよいよ大きくなります――それに反(そむ)かれたものは破れ、それが力を添えたものが勝つ、戦争は人にさせて置いて、実権はこれが握る、実利はこれが占める、政府も、武家も、金持には頭が上らぬという時節が来はしないか、わたしはそれを考えておりました」「御説の通りでございます――そこで、金持に見透しの利(き)く英雄が現われますと、天下取りの上を行って、この世をわがものにする、という手もありますが、間違った日には武家と共に亡びる、つまり大きなヤマになるから、堅実を旨(むね)とする財閥は、つとめて政権争奪には近寄らない、近寄っても抜き差しのできるようにして置く、さりとて、その機会を外して、みすみす儲(もう)かるべきものを儲けぬのは商人道に外れますから、時代の動きを見て、財力の使用を巧妙にしなければならない、天下の志士共は、今、政権の向背について血眼(ちまなこ)になっておりますが、商人といわず、財力を持つものも懐ろ手をして油断をしている時ではありません、ここで油断をすると落伍する、ここで機を見て最も有効に投資をして置くと、将来は大名公家の咽喉首(のどくび)を押えて置くことになる――ところでお嬢様、三井、鴻池などの身のふりかたはひとごと、これをあなた様御自身に引当ててごらんになると、いかがでございます、このまま財(たから)を抱えて、安閑として成るがままに任せてお置きになりますか、但しは、ここで乾坤一擲(けんこんいってき)――」不破の関守氏が、つまり今までの形勢論は、話の筋をここまで持って来る伏線でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...離屋は松前屋が娘に遺(のこ)したものだと申し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...松前屋三郎兵衛の急死に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...松前から來た安五郎が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本海岸の航路は津軽半島の北端ミウマヤ港から松前(福山)に達する...
服部之総 「望郷」
...また曾槃の『成形図説』には「南部津軽松前及(マタ)は...
牧野富太郎 「植物記」
...波響蠣崎将監の宗家の当主松前若狭守章広(あきひろ)が陸奥国伊達郡梁川の城主になつてゐて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...松前滞在の日記は五種ほど今あるが...
柳田国男 「雪国の春」
...これも松前と似ていると記してある...
柳田国男 「雪国の春」
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