...さすがに秋らしい風の中に青い松かさを実のらせてゐた...
芥川龍之介 「O君の新秋」
...松かさ、栗のいが、苺(いちご)の葉があたりにちらばっている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...母の形容によれば「松かさのやうに」頭から顔からいちめんふきでものがしたのでひきつづき東桂さんの世話にならなければならなかつた...
中勘助 「銀の匙」
...あるものは面白くなささうな松かさを足でおもちやにしたりしてゐた...
新美南吉 「耳」
...松かさおくる武隈(たけくま)の土産(つと)芭蕉草まくらをかしき恋もしならひて不玉(ふぎょく)ちまたの神に申すかね言(ごと)曾良(そら)こういったような浮世ごとも想像せられている...
柳田国男 「木綿以前の事」
...あのくいちがった嘴(くちばし)を松かさの弁の間へしこんで巧みに実を啄(つい)ばむ...
山本周五郎 「菊屋敷」
...皮膚は垢(あか)とこの冬中の寒気で松かさみたいになっている...
吉川英治 「黒田如水」
...既に松かさの形をして紅ゐの褪(あ)せてゐるのもあつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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