...杳として行衛が知れぬのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...彼のゆくえは杳として分らない...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...さがしてみたが杳として手がかりがなかった...
田中貢太郎 「竹青」
...杳として影も形もなかった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...ローン・スター号の末路は杳として知れない...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...杳として行方を知らず...
萩原朔太郎 「氷島」
...杳として樣子が判らなかつたし...
林芙美子 「なぐさめ」
...二十二三のすらりとした断髪の〈その女〉はその後杳として行衛が知れないのだった...
久生十蘭 「金狼」
...その後杳として姿を現わさなかった「ホヴァス」の通信員ジョン・ハッチソン...
久生十蘭 「魔都」
...その後コペイキンの行先は杳として分らなかったのですがね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...杳として行方を知らず...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...交川君は何故かそれ以来杳として姿を現さなくなり...
牧野信一 「疑惑の城」
...彼はあの翌朝早々と丹沢山中の某所に石斧の採集に赴いたといふ下婢の伝へで杳としてその行方がわからなかつた...
牧野信一 「冬物語」
...豈計らんや其後は杳として便りもなく……」――「……定めし御勉学に専念中のこととは存ずれども――」ハガキは私の田舎からの母親の文字だつた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...それ以來杳として銀笛の音は聞えなかつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...それ以来杳として銀笛の音は聞えなかつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...クルーゼ夫人の方は戦後に杳として消息が知れない...
三好達治 「オルゴール」
...それ以後又、杳として、彼の足跡はあまり分つてゐない...
吉川英治 「折々の記」
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