...杳(よう)としてわからない...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...杳(えう)として行方(ゆくへ)を失つた儘(まま)...
芥川龍之介 「近頃の幽霊」
...杳(はる)かに水の音がきこえる...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...さがしてみたが杳として手がかりがなかった...
田中貢太郎 「竹青」
...杳(はる)かに遠い過去に没し去つた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...取り留めもない杳かな想念...
豊島与志雄 「轢死人」
...漠然(ばくぜん)として杳(はる)かで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...杳竟難知...
夏目漱石 「思い出す事など」
...それっきり杳(よう)として判りませんが...
野村胡堂 「江戸の火術」
...どの女も、蒲団の中の匂ひは同じなのだなと、直吉は、遠く杳かに、どよめくやうな、万歳々々の声を耳にしてゐた...
林芙美子 「瀑布」
...ナホモ杳カナ穹窿ヲ犇イテヰルノカ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...彼はあの翌朝早々と丹沢山中の某所に石斧の採集に赴いたといふ下婢の伝へで杳としてその行方がわからなかつた...
牧野信一 「冬物語」
...今井は杳然(ようぜん)として死(しん)だ...
松崎天民 「友人一家の死」
...杳然方覚思君滋...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「旧歓杳渺多年夢...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...行方も杳(よう)として知れぬという報告であった...
吉川英治 「三国志」
...杳(よう)としてわからない...
吉川英治 「親鸞」
...あたりに立っている松の木も茅萱(ちがや)の穂も全く現代のものではない様な杳かな杳かな心地になって来るのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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