...姿を消して杳(よう)として行方が知れなくなったこの麗人の身の上を...
海野十三 「蠅男」
...杳として行衛が知れぬのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...太素は杳冥(えうめい)たれども...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...杳然聞ゆるなきの末路に立てり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...星が杳かに見えていた...
豊島与志雄 「朝やけ」
...終日杳相同...
夏目漱石 「思い出す事など」
...去る波の今書いた真を今載(の)せて杳然(ようぜん)と去るを思わぬが世の常である...
夏目漱石 「虞美人草」
...それっきり杳(よう)として判りませんが...
野村胡堂 「江戸の火術」
...杳として眺望すれば街路を這ひ行く蛆蟲ども生きたる食餌を暗鬱にせり...
萩原朔太郎 「氷島」
...――元気で頼(たの)む」かつて知らなかった男の杳々(ようよう)とした思いが...
林芙美子 「清貧の書」
...その後杳として姿を現わさなかったが...
久生十蘭 「魔都」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...それ以来杳として銀笛の音は聞えなかつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...杳然せうそこなし...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...市川はいかが、折ふし参られ候哉、近比杳然に候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...備後(びんご)の尾道(おのみち)へ落ちて行ったとあるが――杳(よう)としてしばらく所在が知れなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...杳として分らない...
吉川英治 「平の将門」
...杳(よう)として...
吉川英治 「宮本武蔵」
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