...赤い布片(きれ)か何かで無雑作に髪を束ねた頭を...
石川啄木 「二筋の血」
...束ねた紐(ひも)をいきなりくわえて...
梅崎春生 「黄色い日日」
...其処では無造作に髪を束ねた若い上さんが...
田山録弥 「百日紅」
...此間迄青かつた筈の芋の葉は數日來の霜に凍てゝすつかりうだつたやうになつたのが一つ/\丁寧に結び束ねてあつた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...束ねた断髪の先端が不揃いに鼠でも齧(かじ)ったような形になっているのが妙に眼について印象に残った...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...右側の障子の外が『ホトトギス』へ掲げた小園で奥行四間もあろうか萩の本(もと)を束ねたのが数株心のままに茂っているが花はまだついておらぬ...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...真黒に染めた髪を小さく束ねて...
豊島与志雄 「二つの途」
...そこには藁を束ねた床がある...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...解き下げて無造作に束ねた髪...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...縄(なわ)によつて束ねられた処で...
正岡子規 「病牀六尺」
...伊勢大神宮に詣でて髪を束ねた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...彼のものといえばそれを束ねる紐(ひも)ばかりではないか」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その日、女は濃紺の細いタフタで、髪を束ねていた...
山川方夫 「昼の花火」
...手を束ねて動こうとしなかった……つまり新島は新島なりに...
山本周五郎 「新潮記」
...まだ艶(つや)つやと黒い豊かな毛をひと束ねにして背へ垂れ...
山本周五郎 「竹柏記」
...枇杷(びわ)は小粒で軸付きのまま十粒ぐらいに葉を三、四枚添えて束ね、黒ボクの岩組へもったいらしく飾り、一房並べの葡萄(ぶどう)と共に高級品扱い、梨と柿とは一般向きで夏から秋へ第一の売物、ことに当時の樽柿の味は素敵に上等、これだけは今も懐かしい...
山本笑月 「明治世相百話」
...黒髪を束ねた髱(かもじ)の看板と「おん小間物類(こまものるい)」とした暖簾(のれん)がふッと目につきました...
吉川英治 「江戸三国志」
...三つずつ積み重ねて七八所に束ねてあった空樽が余りの動揺にいつか束ねた縄を切って一斉に甲板の上に転げ出したのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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