...今朝髪を洗つたと見えて、智恵子は房々した長い髪を、束ねもせず、緑の雲を被(かつ)いだ様に、肩から背に豊かになびかせた...
石川啄木 「鳥影」
...一つ/\を束ねから無言で順序通りにめくり取つて行つたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...お出(い)で下された」総髪を木皮(もくひ)で後(うしろ)に束ねて...
江見水蔭 「壁の眼の怪」
...中国人の荷役人夫も通訳も谷間の草地の上で束ねた雑巾のようにひっくり返っているではないか...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「西洋科学は素晴らしい」
...女一 (髪を束ね直しながら)さ...
林不忘 「安重根」
...君江はまず泥と雨とに濡(ぬ)れくずれた髪の毛を束ね直そうと...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...太い孟宗竹を何十本と束ねて縛ったものを浮標にして...
中谷宇吉郎 「大謀網」
...その時は「銭形平次」などは、束ねて包んで、物置の中へ抛(ほう)りこんでも怨(うら)みはない...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...解き下げて無造作に束ねた髪...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小作人の束ねから田地の上りの采領まで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...造花の枝や紙の型なぞを束ねて積んであるらしい...
室生犀星 「三階の家」
...束ねたりする老人や...
山本周五郎 「季節のない街」
...ざっと髪も束ね直した...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...書いた紙の束ねを...
山本周五郎 「へちまの木」
...使いからしのハタキみたいに束ねて後ろへ下げた態(てい)や...
吉川英治 「脚」
...無造作な兵庫くずしに束ねた根元を南京(ナンキン)渡りの翡翠(ひすい)で止めた...
吉川英治 「剣難女難」
...点を打った平面状の物体を蝶番で束ねたものを書物として棚に収めていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...打ち折り束ねまるめて貧人に与えた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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