...お蔭(かげ)で他所(よそ)の銀杏(いちょう)とは異(こと)なり...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...銀杏返(いてふがへし)や圓髷(まるまげ)は不可(いけな)い...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...洗面所の窓からテニスコートの黄ばみはじめた銀杏(いちょう)を黙って眺めていた...
太宰治 「パンドラの匣」
...枝葉のやや萎(な)えかかった銀杏(いちょう)の街路樹のうえに降り灑(そそ)ぎ...
徳田秋声 「仮装人物」
...銀杏の葉が散ってしまったら...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...黄色い銀杏の葉が降りかかる...
豊島与志雄 「非情の愛」
...銀杏の葉の散る神宮外苑をうそ寒く歩いてゐた時も...
中島敦 「環礁」
...光悦が金を塗りたる城と見ゆ銀杏めでたき熊本の城大正七年秋十一月九州に遊んだ折の作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ゼラチンを三枚水で濡して柔になった処を杏の液一合へ入て少し煮立ると直に溶けます...
村井弦斎 「食道楽」
...杏の梢(こずえ)をすべり...
室生犀星 「不思議な国の話」
...「杏壇相対是緇林...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...杏坪にあつては七年の久しきに至つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...乾した杏子(あんず)など...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...容体ともおもわれません」「獄医を呼んだか」「牢屋づきの中根杏庵(きょうあん)が...
吉川英治 「大岡越前」
...銀杏家(いちょうや)の秀弥さんに熱くなって...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...銀杏(いちょう)の葉が三ツ四ツ溜(たま)った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...勿論君の厳父の方からはしばしば彼女が他のサナトリウムに変ることをすすめて来た、だが彼女は動かなかった……それはこの僕がいるからだ、も一つ君がいるからだ……君がここにいればこそ僕たちは何んの邪魔ものもなく恋を楽しむことが出来たんだ、人のいい杏二君、君は期せずして僕たちの恋の防波堤となってくれたのだ、ありがとう、厚く感謝する……ダガ矢ッ張り僕たちには悲しいカタストロフが待っていたんだ……、僕は最近再発に悩まされていた、僕の胸はもう数限りない毒虫にむしばみつくされようとしている……左様、僕たちの恋は眠っていた結核菌を呼起してしまったのだ……体温表の体温は、まるで僕のデタラメなのだ、僕のデタラメを雪ちゃんが正直に表につけていたに過ぎない……僕は自分の残り尠(すくな)い命数を知るにつけても何か焦慮を覚えるのだ、僕は自身でも惚々(ほれぼれ)するほどの作品を残したかった……そして到々決心した、この世の中で最も尊いカンヴァス、つまり丘子の薄絹のような肌に、全精力を傾注した作品を描こうと決心した……幸い丘子もそれを許してくれた...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...大納言(だいなごん)は杏(すもゝ)のように赤(あか)くなつた眼(め)を開(ひら)いて...
和田萬吉 「竹取物語」
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