...それからあの大(おお)きな瘤(こぶ)だらけの銀杏(いちょう)の老木(ろうぼく)……チラとこちらから覗(のぞ)いた光景(ありさま)は...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...髪を銀杏返しに結つてくれたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...庭の隅の小さな銀杏も...
伊藤野枝 「惑ひ」
...無残(むざん)につぶされた女の銀杏返しの髪に視線を送った...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...尾鰭(おひれ)は黄色くすきとおりて大いなる銀杏(いちょう)の葉の如く...
太宰治 「新釈諸国噺」
...それからいつも銀杏返(いちょうがえ)しに結(ゆ)うた十八...
寺田寅彦 「やもり物語」
...路傍の銀杏(いちょう)も薄黄色気味に萎(な)えかけていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...殊にナブルスの谷は、清泉処々(しよ/\)に湧きて、橄欖(かんらん)、無花果(いちじゆく)、杏(あんず)、桑、林檎、葡萄、各種野菜など青々と茂り、小川の末には蛙(かはづ)の音さへ聞こえぬ...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...雀の巣だった銀杏の樹のあたりを通りかかったことがある...
豊島与志雄 「太宰治との一日」
...校門を出てからも杏平の自信はくづれなかつた...
新美南吉 「登つていつた少年」
...杏平は一人でどんどんのぼつていつた...
新美南吉 「登つていつた少年」
...あの杏斎先生が持って行った筈だ」平次は受取って匂いを嗅(か)いで見ましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...亭々と天を摩してゐた大銀杏焼けて裸木となり...
正岡容 「大正東京錦絵」
...何時も銀杏返に結つてゐたお兼が...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...纏めて杏奴さんの文章をも読み...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...舞踏舞踏のある晩だつた盛りあげた薔薇(ばら)のやうな異国の小鳥たちが美しい杏色をした肌衣にみな日本の夜露を含んで劇場の廊下いつぱいに立ち匂うてゐた...
室生犀星 「忘春詩集」
...杏庵は蘭軒の外舅(ぐわいきう)飯田休菴に養はれて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...今杏春の江戸に至つた十一月四日より溯ること十一日なるときは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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