...「唯静かに老い朽ちたい...
芥川龍之介 「六の宮の姫君」
...合せ目も中透(なかす)いて、板も朽ちたり、人通りにはほろほろと崩(くず)れて落ちる...
泉鏡花 「海の使者」
...彼は朽ちた欄干の上を踏みはずして...
犬田卯 「橋の上」
...三藏は彼の朽ちた門を出て...
高濱虚子 「俳諧師」
...「わしは老い朽ちた身体……死んでゆくのは厭(いと)わぬが...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...まゝよ法衣は汗で朽ちた・ゆつくり歩かう萩がこぼれる訂正二句酔うてこほろぎと寝てゐたよ大地したしう夜を明かしたり波の音昨夜は榎原神社に参詣し...
種田山頭火 「行乞記」
...朽ちたまま手をいれない杉垣のうちにはどこにも多少のあき地があつて果樹など植ゑられ...
中勘助 「銀の匙」
...朽ちた橋の下に女が野菜を洗つてゐるとか...
永井荷風 「畦道」
...朽ちた丸木橋の下では手拭を冠(かぶ)った女たちがその時々の野菜を洗って車に積んでいる...
永井荷風 「葛飾土産」
...垢つく衣朽ちたるに...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...秋の樹の葉の地に落ちて朽ちたように――私のためには希望もまた枯れた...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...朽ちた丸木橋を渡って行かなければならないのが怖かった...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...朽ちた扉は倒れました...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...わたしは方々で崩れ朽ちた家々も見たし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...むしろ朽ちたり倒れたりせぬような...
柳田國男 「垣内の話」
...木の朽ちたような高廊下へあがった...
山本周五郎 「七日七夜」
...美少女が海岸の雑草の中に折れ朽ちたように寝...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...また稀に半ば折れたか朽ちたかした様な杉が一本だけぽっつりと落葉木の中に混って立っているのをも見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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