...早緒(はやお)朽ちたる櫓を執り...
石井研堂 「研堂釣規」
...幾年の落葉の朽ちた土に下駄が沈んで...
石川啄木 「鳥影」
...雨露に朽ちたりな...
泉鏡花 「悪獣篇」
...合せ目も中透(なかす)いて、板も朽ちたり、人通りにはほろほろと崩(くず)れて落ちる...
泉鏡花 「海の使者」
...存命(ながら)えて坊主になって老い朽ちた...
泉鏡花 「海神別荘」
...きっと老い朽ちた老人が...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...何かのけだものの朽ちた大きな趾(あし)うらのように...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...測量部員が真に人跡未到と思われる深山を歩いていたらさび朽ちた一本の錫杖(しゃくじょう)を見つけたという話もあるそうである...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...せんだって四つ目垣の朽ちたのを取り換えたとき...
寺田寅彦 「破片」
...しかし東の裏は朽ちた木塀に劃されて...
外村繁 「澪標」
...堂宇の床板も朽ちたる処あり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...青ざめた頬をほてらせひょうひょうと口笛をふいたタクトに合わせて私はぢっと朽ちた床板をふみならしながらしめっぽい円天井の破風に譜のない歌を聞き敷石にひゞく同志の調べを爽やかに身近かに感じた―――朝やけの空仰げ 勝利近づけり―――搾取なき自由の土地 戦い取らん―――われら若き兵士 プロレタリアの離れた石廊のかなたでなぜとなく私はうっとりと聞き入ったそれは恐れを知らぬ少年のような...
槇村浩 「同志下司順吉」
...朽ちた花びらが梢(こずえ)に萎(しお)れて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...堂上の朽ちた梁が落ちて...
南方熊楠 「易の占いして金取り出だしたること」
...どこから吹き寄せるか奥の方はこの藻ばかりで朽ちた土は沈んで干潟となり...
柳田国男 「雪国の春」
...半分朽ちた葭簾(よしず)の屋根と...
山本周五郎 「青べか物語」
......
横瀬夜雨 「花守」
...そこの朽ちた板縁の松落葉が...
吉川英治 「私本太平記」
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