...彼はまた老夫人や老い朽ちた老孃達の間では伊達者で通り...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...朽ちた鳥居が灌木類と草とのこんがらかった内に立ち...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...一瞬にして通りすぎた谷間の朽ちた懸け橋に...
上村松園 「車中有感」
...何かのけだものの朽ちた大きな趾(あし)うらのように...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「川底に朽ちたる銭は国のまる損...
太宰治 「新釈諸国噺」
...朽ちた其木の屍(かばね)から実生(みしょう)の若木(わかぎ)が矗々(すくすく)と伸びて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...朽ちたまま手をいれない杉垣のうちにはどこにも多少のあき地があつて果樹など植ゑられ...
中勘助 「銀の匙」
...朽ちた橋の下に女が野菜を洗つてゐるとか...
永井荷風 「畦道」
...朽ちた丸木橋の下では手拭を冠(かぶ)った女たちがその時々の野菜を洗って車に積んでいる...
永井荷風 「葛飾土産」
...今は老朽ちた人々の語草に殘されてゐるばかりである...
永井荷風 「蟲の聲」
...私もまだ老い朽ちた年でもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そこら中に散らばっている朽ちた大きな枝があった...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...それは一個の半ば朽ちた圓柱だつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...小さきもの、限られたもの、朽ちたるもの、ふるびたものも、古物的人間の保存し崇拜する魂がこれらの事物のうちへ移住し、そこに故郷の巣を作ることにより、それ自身の品位と不可侵性とを得て來る...
三木清 「歴史哲學」
...堂上の朽ちた梁が落ちて...
南方熊楠 「易の占いして金取り出だしたること」
...昌幸はまだ五十五歳で老い朽ちたという年ではない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...饐(す)え朽ちた欄干を越え...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ではこの老い朽ちたる世捨人の薦僧(こもそう)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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