...朽ちたる軒は蜘蛛(くも)の網(す)に張られて...
巌谷小波 「こがね丸」
...一瞬にして通りすぎた谷間の朽ちた懸け橋に...
上村松園 「車中有感」
...闇の中に物の朽ちた匂(におい)がして...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...その中に樹の根や草の根の枯れ朽ちたのが散在している...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...老い朽ちた椎の木蔭の鉄柵のところで...
徳田秋聲 「和解」
...老い朽ちた俺をいとしむ代りに...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...雨に朽ちた腰掛けの上にすわってる婆さんなどがあちこちに見られた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...十年近い前に見た邸は、朽ちた板塀、剥げ取られた土塀、七戸前の土蔵の白壁は雨風に落ち、屋根には草が茂っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...それをば諸車止(しょしゃどめ)と高札(こうさつ)打ったる朽ちた木の橋から欄干(らんかん)に凭(もた)れて眺め送る心地の如何(いか)に絵画的であったろう...
永井荷風 「深川の唄」
...今は老朽ちた人々の語草に殘されてゐるばかりである...
永井荷風 「蟲の聲」
...海辺の朽ちた昔の家が...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そこら中に散らばっている朽ちた大きな枝があった...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...朽ちた花びらが梢(こずえ)に萎(しお)れて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...朽ちた扉は倒れました...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...半分朽ちた葭簾(よしず)の屋根と...
山本周五郎 「青べか物語」
...そこの朽ちた板縁の松落葉が...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ山上に荒れ朽ちた岳廟(がくびょう)があると聞くばかり……...
吉川英治 「新・水滸伝」
...朽ちた落葉の下からも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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