...傍觀せし樵夫の斧の柄朽ちたりと聞きつるが...
大町桂月 「町田村の香雪園」
...恰も内部の朽ちた枯木が些細の風にも倒れる如くに...
丘浅次郎 「人類の将来」
...酒で朽ちたじめじめした木片をさもうまそうに舐めたり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...しかし東の裏は朽ちた木塀に劃されて...
外村繁 「澪標」
...十年近い前に見た邸は、朽ちた板塀、剥げ取られた土塀、七戸前の土蔵の白壁は雨風に落ち、屋根には草が茂っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...田舟(たぶね)の朽ちたまま浮んでいるのも二...
永井荷風 「葛飾土産」
...半ば朽ちた其(その)幹は黒い洞穴(ほらあな)にうがたれ...
永井荷風 「狐」
...朽ちたる木の野分(のわき)を受けたる如く...
夏目漱石 「薤露行」
......
林芙美子 「放浪記(初出)」
...仙人(せんにん)の遊戯を見ているうちに斧(おの)の木の柄が朽ちた話と同じような恍惚(こうこつ)状態になって女房たちは長い時間水上にいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どこから吹き寄せるか奥の方はこの藻ばかりで朽ちた土は沈んで干潟となり...
柳田国男 「雪国の春」
...昌幸はまだ五十五歳で老い朽ちたという年ではない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...古朽ちた低い家並や...
山本周五郎 「はたし状」
...どこの村にも小さく古り朽ちたような家が...
山本周五郎 「風流太平記」
...枯れて倒れて朽ちた樹が同じく縦横に横わっている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...そこの朽ちた板縁の松落葉が...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ山上に荒れ朽ちた岳廟(がくびょう)があると聞くばかり……...
吉川英治 「新・水滸伝」
...朽ちた落葉の下からも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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