...彼の細腕は、五十キロもあろうと思われるその重い鉢植を軽々ともちあげて、頭上にふりかぶろうという気勢を示した...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...夜の帰宅時間は定まらないし──こんな夫の世話をよくも妻はあの細腕でなしとげたものであった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...黙って忠作の細腕をムズと掴んで捻(ね)じ倒すと同時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...お婆さんの細腕で...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の細腕一つでも大の男に向うことが出来る筈(はず)だ――...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...もっともこの殺しは最初から女の細腕ではあるまいと思ったよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物蔭に隱れてゐた――茂野の脇差が、其處を突いて出たとしたら、娘の細腕でも、背後へ突き拔けるわけではないか」「フーム」ガラツ八は唸(うむ)りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なるほどお鈴の細腕では...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...娘一人の細腕では容易に討てないから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...空にひろげた細腕にはあらゆる恐怖とあらゆる悲愁の情が刻まれるとも見えた...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...手でがっしり掴んだのは女の細腕だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...激怒して長い細腕でフェンウィックの襟首をつかんで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...骨ばった足でフェンウィックの背中を押すと、前によろけ、こけ土(ど)に倒れたので、細腕で喉を掴み、馬乗りになった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...五歳の私の細腕では...
宮城道雄 「五十年をかえりみて」
...結局私の細腕で箏の師匠をして...
宮城道雄 「私の若い頃」
...なんで甚助のような小冠者の細腕にようこれを仆(たお)すことができましょうか」母は...
吉川英治 「剣の四君子」
...その細腕で』『おのれっ』お小夜は...
吉川英治 「夏虫行燈」
...まして年老(としと)ったお姑さまとどうして別れられましょう」かの女が一家の計を細腕に支えて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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